....................気になるといものには、やはり理由があるというわけなのかも。
たぶん、ご覧になった方も多いと思うのですが、去年(2004)の12/14の読売新聞紙面に「ルイ・ヴィトン 時空を超える意匠の旅」展の紹介が載っていました。この展示には読売新聞が主催として関わっている様なので、他の新聞でも同じ内容で載っていたかはわかりませんが、そこには展示の内容と同時に、モノグラムのルーツについていろいろ書かれていました。
以前から、どことなく気にはなっていたルイ・ヴィトンのモノグラム。1つも持ってはいませんが、今では当たり前の様に目にするので見かける度に、これって何かに似てるんだよな.......と思う事がありました。
LVモノグラムの考案は、創業者のルイ・ヴィトンではなく、2代目 ジョルジュ・ヴィトンによって、1896年に初めてモノグラムが誕生したようです。当時、パリでは、ジャポニズムという日本の文化が流行り、例えば画家だったら浮世絵などに影響を受けたりしていましたし(モネ、ドガ、ロートレックなど......)、その日本的な自然さや曲線が、アール・ヌーヴォーの文化にも影響を与えたと言われています。ジョルジュ・ヴィトンは、当時のアール・ヌーヴォー作家とも交流があったために、モノグラムにそのような影響があったと、紙面広告には書かれていました。
紙面に、日本の伝統の文様が合わせて載っていたのですが、それと比べると確かに似てる! 4つの花びらがついた模様なんかは、かなり似てるかも.........。
で、もう一つ影響を受けているかもしれないと言われるのが、中世ゴシックなのです。ジョルジュ・ヴィトンは、アール・ヌーヴォーと共に中世ゴシックにもかなり興味があったようなのです。日本の文様と同じく、ヴェネツィアの有名なゴシック建築、カ・ドーロ(Ca'd'Oro)の写真が載っていたのですが、そう!これっ!!! ど忘れしてた。別にこのカ・ドーロに限らず、ゴシック建築ではお馴染みのモチーフである、円形を4つ組み合わせくり貫いたデザイン、そっくり〜〜〜。もう一つの先ほどの4つの花びらを菱形の中にくり貫いたデザインもまたゴシックには見受けられます。
う〜、モノグラムにそんなルーツがあったなんて...........ってだからといって買う事は............一生ないと思うけど。w 当時の、今となってはアンティーク、あるいはヴィンテージともいえる、ルイ・ヴィトンのトランクもいくつか載っていましたが、昔の方のが良いかも! 金具とかリベットの雰囲気がクラシカルで、モノグラムの敷き詰め方ももっと詰めてあって雰囲気がだいぶ違います。 しかもでかいトランクケースは、扉を開けると中身がタンスみたいに引き出しがいくつも付いてたりして.....いかしてる! でも基本的なトーンは100年前のもちっとも変わっていないのが凄い。きっと100年後も変わっていないのでしょうね。
ゴシックを取り入れたバッグなどは無いと思っていたのに...........さすが王者は目の付けどころが違うよ! というか、ゴシックとかアール・ヌーヴォーっていうのには模様のネタが宝庫な気がします。 ゴシックの模様に関する洋書をいくつか持っていますが、実は意外にも幾何学的模様であり、コンパスで描けるデザインが非常に多いのです。ゴシック様式が生まれ流行った時代は、尖頭アーチのデザインが有機的だと言われ使い続けられてきたそうですし。(それを否定したのがイタリア。イタリアゴシック建築には尖頭アーチがあまり見受けられないのはそのせい)
ちなみにこの展示、兵庫県立美術館でしか開催されていないと思い違いしていたのですが、実は東京でも、六本木ヒルズ内の森アーツセンターギャラリーで、今月21日まで展示されているそうです。(ちなみに兵庫の方はすでに終了) 創業150年を記念して、創業当時のアンティークトランクから現代のバッグなどの展示の他に、資料等とともにモノグラムのルーツについての展示も。また会場デザインは安藤忠雄によるもの。
大事な事を忘れてた。 そうだ、ゴシック、ヴィトン、モノグラムに加えて、安藤忠雄が会場デザインするとかいうから新聞の切り抜きしたんだった! 見に行きたいけど、内容が内容だから......でも滅多に見られないだろうし.........でも、六本木の方はこっちからは遠いんだよね.....上野辺りなら電車ですぐなんだけど.................。ま、ヴィトンをこよなく愛する人は行くべきでしょうね。
カ・ドーロの写真
http://www.jssgallery.org/Essay/Venice/Casa/Ca_d_Oro.jpg
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