こんな日に書くのもタイミングが良いのか悪いのか分かりませんが、以前からブログにメモっておこうと思っていた人物です。
そのサイトをご覧になれば、特に説明する必要はないと思います。....それに、意外と知られている様なので、ご存知の方もいるはず.........。
過去のブログに書いた様に、横浜は好きな所です。願いが叶うならそこに住んでみたいと思う程ですから。でも、昔はそうじゃなくて、あまり好きになれなかったんです。............特に理由は見当たらないのになぜか古くて暗いイメージを抱いていました。もしかしたらずっと昔、物心つかない頃に、横浜の暗い過去を理解出来ないまま、何かで知っていたのかもしれません。けれども、去年辺りにそのサイトを知って、実は初めて横浜の過去を知ったという感じです。他県の歴史なんて何か動機でもない限り、知ろうとは思わないはずですし、歴史の教科書にだってそんな記述はなかったでしょうし。
ちょうど横浜が好きになりかけていた頃に知ったので、かなり複雑な心境でした。しかも、特に気に入った関内はまさにその歴史の舞台だったようですからなおさらです。そんな暗い過去を垣間見られる様な雰囲気は、ちょっと歩いた限りでは見当たりませんでしたし、本当に素敵な所だと思っていました。でも...........もちろん、そんな過去を知った後でも好きです。たぶんずっと変わらないはず。
...........誤解してほしくないのは、そういう暗いイメージがメリーさんのせいではないということです。なぜこの日に載せたか..........たぶん理由を分かってもらえると思いますが。
戦争というのは、本当にあらゆるものに暴戻な仕打ちを与えてしまうのですね....。上記のサイト内に書かれている、「進駐軍を迎えるにあたって、日本政府は性の侵略ということを恐れた」、というのを例に挙げれば、第二次世界大戦でベルリンが陥落した時も、ロシアが不可侵条約を破棄して旧満州へ攻め込んだ時も、同じ様な事は起きたし、戦場である以上、もっと凄惨な状況だったに違いありません。実際、旧満州からの引き揚げ先だった北九州では、秘密裏に堕胎が行われていた、という事実もありますし.........。もちろん、日本だって同じ様な事を大陸でしていたことも事実。歴史の教科書ではきっと教えてくれないでしょうが、戦争というのはそういうものなのだと思います。
震災の復興もままならないまま、空襲を受けことごとく破壊され尽くし、やっと終戦かと思いきや、今度は大量の兵士が進駐するなんて...........またサイトからの引用になってしまいますが、横浜はその犠牲となったわけですよね。マッカーサーがGHQの総司令官として、戦後日本の復興に貢献していたのと比べると、その明暗のコントラストは大きく感じます。
メリーさんについて安易に何か書くのは気が引けるのですが、敢えて書くなら.........、ほぼ一生娼婦だった(現在は郷里の介護施設にいるらしいですが)ということが、どれだけ大変で苦労をされたかと思うと、いろいろと考えさせられます。それと.......こんなことを言うと怒られてしまいそうですが、出来れば一目見たかったです。横浜に行ったのが遅過ぎました。
それと、もうひとり、メモっておきたい人がいます。こちらはグーグルの検索数が少なかったのであまり知られていないのかもしれません。蟻の町のマリア、と呼ばれた方で、北原怜子という方です。蟻の町.....戦後まもなくの東京のとある場所に、戦災に遭い家も何もかもを失った人々が集まり、それが蟻の町と呼ばれていたのだそうです。終戦直後の厳しい状況下で、蟻の町の人々はとても苦しい生活を送っていたそうです。後に蟻の町のマリアと呼ばれる北原怜子さんは、....いわゆるお嬢様で、裕福な生活を送っていたのですが、とある神父と知り合い、それがきっかけとなって、蟻の町で、そこに暮らす人々と一緒になって廃品回収などを行い、一緒に暮らすようになっていったんです。でも......無理がたたり、若くして亡くなってしまいます。
.......別にお嬢様だったからとかは関係無く、境遇の違いや周りの非難に気にする事もなく、外から手を差し伸べた、というより、自らが同じ境地に立ち、そこで戦後の復興に命を捧げたことが、なによりも素晴らしく感じます。この話は極端な例えかもしれないですが、今の世の中には、そういう優しさは生まれにくいし、ないがしろにされがちです。優しさにはいろいろ種類があって、形式的な優しさや、気に入られたいと思うための優しさ、偽りの優しさ.....いろいろあると思います。そんな中で本当の優しさというのを考えると、...............なかなか難しいのです。考え抜いて優しさを与えるという事ではないのかもしれません。............道徳の教科書に載る様な話、と言えばそうなのかもしれませんが、いろいろ考えさせられる話でした。
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