大掃除をしていたら、ほこりまみれの1冊の本が出てきました。
その本は、夏目漱石の「坊ちゃん」。子供の頃、親が買い与えてくれた本で、日本の文学というものに初めて触れた本でした。
講談社から出ている 「少年少女日本文学館」というシリーズのうちの2巻目で、全30巻あるもののうちの1冊です。他の巻でも、日本文学を代表する様な名だたる作品がどうやら歴史を追う様に古い順から各巻に収録されている様です。
この本は子供向けのもので、装丁もしっかりしてあり、活字も大きく、注釈はもちろん、挿絵付きのもので、ほとんどの漢字にルビがふってあるという......至れり尽くせりの仕様です。文庫本サイズだったら、100ページそこそこの、厚い本ではないですが、それ故ページ数も多く、値段もしっかりした装丁もあってか、¥1,400。(ちなみに消費税はまだない頃です。w)
発行が1989年(初版は1985年)になっているから、17年も前のものです。今ではもうないだろうなあと思っても試しにアマゾンで調べてみたら、また売ってました! しかもカバーデザインも当時のまま! あ、でも値段が¥2,100に寝上がってました。w
この本を買い与えてくれた事は今では感謝していますが、当時の自分にはちっとも嬉しくありませんでした。もともと長い文章を読む事が大嫌いで、パッと見た目で分かる様な方が好きで、この「ぼっちゃん」よりも前に度々買ってもらった、動物や恐竜の図鑑や地球の歴史....の様なものは大好きで、そういう本はよく「見ていました」。
実を言うと、買い与えられて本棚にしまわれたまましばらく放ったらかしてしまいました。.......その後きちんと読んだのはそれから2年程後のことでした。しかし、やっとの思いで読破したのはいいものの、それからというもの読書することが嫌いになってしまい、半ば拷問の様にさえ感じる事もありました。
そんなわけで、恥ずかしい事に今でも夏目漱石の作品はろくに読んだ事がありません。敬遠していたんです。憂い顔の様な漱石の肖像や作品のタイトルから難解そうなイメージを抱いてしまっていたのです。逆に、芥川龍之介なんかは、どれも短くって童話から歴史ものなど様々なスタイルの作品があるので、親しみ易くこちらの方は良く読みました。
ほこりを払って撮み読みしているうちに、結局読み終えてしまいました。今なら、他の漱石の作品が読めるかもしれません。ちかいうちに買ってみようと思っています。
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