Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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年賀状作成手順(覚え書き)

img それでこの作品について自分のためのメモ書きとして書いておきます。ですのでちょっと長いかも。(前回の文章と重複する箇所があります)
イノシシはいわゆるアニメ塗りで背景は普通の水彩画のような塗り方にするつもりでしたが、背景の方は納得いくまで塗り続けていたら、なんだか油絵みたいになりました。
線画は雰囲気がわかる程度の下書きを「ペインター エッセンシャル」で、それ以降の作業は全て「フォトショップ エレメンツ」。
ちなみに今回の画像ファイルは幅1183高さ1600ピクセル、解像度240dpi  最初はもう少し小さかったのですが、イノシシの大きさに合わせて背景を足していった結果、そのような大きさになりました。1500×2000で300dpiくらいでも良かった気がします。


-----------フォトショップに移ってからの作業をざっとメモ書きします------------

 1-1 まず線画を決定させるための作業。つまりいくつもなぞられて形作られた線画を1本の線に決定する感じ。アニメ塗りするイノシシでは画面をズームして(300%から400%くらい )特に慎重に書きました。(....がタブレット面がツルツルしていて筆圧の強い自分には線がが思うように描けず、けっこう苦労しました。) 

 1-2 イノシシの塗りをする。人物と違ってそれほどパーツが多くないので初めてアニメ塗りするにはちょうど良かったと思います。顔、体、ツノと白目、鼻と蹄....という感じでそれぞれレイヤーを作り、線画に沿って塗りつぶす領域の境界線を細いブラシで描いていった後にバケツツールで塗りつぶす。(自動選択でも良かったのですが間抜けな自分なので、必ずどこかに線が閉じていない箇所があるにきまっているので、向いていない気がしました。が作業効率を考慮するとこちらのほうが良さそうなのでゆくゆくはそうしたい)

 1-3 それぞれのパーツ(レイヤー)ごとに影の部分とハイライトの部分を別レイヤーを用意して塗る。先ほど塗った領域からはみ出ないためにグループ化する。同じように白目の中に黒目、目頭部分を別レイヤーをグループ化して塗る。
 このレイヤーのグループ化は便利ですね。グループ元のレイヤーの塗りつぶした領域以外の部分は表示されないので、輪郭付近を気にせず描ける。また、目の部分では黒目をレイヤー移動ツールでぐりぐり動かして目つきを調整したりしました。パーツごとにレイヤー分けしておくと、福笑いではないですが、いろいろと位置を調整出来るので、邪道かもしれませんが効率は良さそうです。

 イノシシの方はだいたいそんな感じで終わり。次は背景.....最背面の背景ではなく、背景オブジェクト(鉄骨/コンクリート)のことを指しています。


 2-1 次は背景。まず塗る前に、ペインターで描いた背景が納得いかず、結局フォトショップの方で再度書き直し。ただし基本的な、おおまかな形は踏襲しました。描き直した後は結局ペン入れすることもなく描き直した線画をそのまま使っています。薄いし細い線ですし、そもそもキャラ以上に背景の線画が目立つとバランスが悪いと思ったので、敢えてそのまま使いました。輪郭部分だけはきっちりとした1本の線ですが、輪郭以外は細かくかなり描き込んであります。→それが結果的にリアルな質感を生み出す一役を買っているように思えます。ちなみにイノシシの前後に配置することにしていたので、前面、真ん中1、2、背面...と前後関係を考慮して計4レイヤーに分けて描きました。塗った後に重なって見えなくなる部分も敢えてきっちり描きました。(これはイノシシでも同様)

 2-2  背景の塗り。これも基本的にイノシシと同様に塗りの領域部分を決定してその上に、影等のレイヤーをグループ化して作っていきます。最初はイノシシ同様、影とハイライトで済ませようと思っていたのですが、それでは鉄骨やコンクリートのような質感が出ないので、塗り方を変更。
 稿を改めて書きますが、背景の鉄骨/コンクリート片を描く際にあたって参考にしたものがあるのですが、それにはびっしりと一面サビが付着していて金属の色も黒に近い焦げ茶/黄色でした。ということで最初は鉄骨を描くつもりだったのですが、ちぎれた部分の書き方が鉄骨よりもコンクリートっぽくなってしまいました。というか途中から物質が何なのかよりも、猪突猛進でぶっちぎれた/ぶっ壊れた感じが出ていればそれでOK、ってことにしました。

 2-3 塗りレイヤーは4つ用意。塗りの領域部分と鉄骨のベースとなる色を塗り。色はうぐいす色に彩度を低くしたような色。その上に別レイヤーでサビの質感を出すためにブラシを変えて塗る。サビはざらついた質感で、見た目が細かい点々のようにも見えたので、それを再現するには普通のブラシでは無理だと思って変えてみた結果、ブラシのカスタマイズで「ジッター」「散布」「間隔」をいじってみると良いのがわかり、ジッターをほぼ100%まで上げ、間隔はブラシの太さに応じて、細かい霧吹きのような感じからスタンプでぺたぺた押した様な間隔のものを分けて使いました。ちなみに筆圧でジッターの変化をON。描画色と背景色が関係するようで、描画色はオレンジっぽいもの、背景色はほとんど黒の赤色を選び、塗り。

 2-4 その上に今度は赤茶色のサビを塗る。これにもジッターと散布などが役に立ちました。ただし筆圧変化によるジッターはOFFだった気がします。サビの表現と同時に影としての塗りも多少する。少し描きかけた後にもう少し質感の表現に迫りたいと思って、レイヤーモードを試しにいじってみたところ、覆い焼きモードにするとサビの質感がより感じられたので、レイヤーモードは「覆い焼き(リニア)」にして、さらにジッターの筆圧変化をONにして描画色を焦げ茶色にしてさらに塗っていきました。

 2-5 最後に黒色で影を塗る。ただし他の背景、イノシシにかかる影は塗らない。あくまでもそのオブジェクト部分内の影の表現のための塗り。レイヤーモードを「乗算」にして透明度を落としてから塗る。

 以上で背景(鉄骨)の塗りは終わり。


 3-1 今まで作った、イノシシ、鉄骨、それぞれに影を付ける。エレメンツのレイヤースタイルはプリセット程度でしかいじれないので、敢えて使わず。後述の破片の側面部分の作成と同様にして黒で塗りつぶし、その後フィルタのガウスでぼかし。前後関係を考えてぼかす量をそれぞれ変える。ずらす位置も同様に考慮する。

 3-2 その後、ぶっ壊す雰囲気が出てないので、破片を描くことに。破片を1つ1つ描くのは時間的に無理だったので(だってこの時もう12/30!!)、ブラシでめぼしいものを探してみたのですがピッタリくるものがなく、やむなく「ウロコ」状のブラシを使うことに。筆圧変化で大きさをONにして、最背面の破片レイヤーでは細かく多く。最前面では大きく数も少なく描く。その後表示部分を選択して別レイヤーを作り黒に近い茶色で塗りつぶし、側面部分とする。

 3-3 背景面は本当ならば同じ鉄骨を背景画像として描くつもりだったのですが、時間がないので素材画像で繕う。使った画像は 素材辞典「フォトバイブル」 にあったサビの写真。(Vol.3「メタル・錆編」) それを適当に敷き詰めて色調補正して終わり。

以上で基本的な塗りは終わり。


 4-1 あとは文字入れして一応完成。

 4-2 この状態でイノシシがぱっとしないので、輪郭部分だけ、多少太い線画を描く。ただし箇所によって太さを微妙に買えた。その後、ぼかした白で輪郭をさらに目立たせ、勢い感を出すために、その白レイヤーを複製してそちらはフィルタのぼかし(移動)で効果を出す。

 4-3 最後に各レイヤーをまとめた後に(ただし文字レイヤーは結合しない)、色調補正して完成。はがき印刷ではさらに印刷用に色調補正した。


 
 時間があればしたかったことは....................イノシシの耳と鼻にピアスを付けてチェーンで結ぶこと、鉄骨にボルトを付けること、切断面の塗り。まあチェーンはちょっこっとラフ書きしてみたのですが、それが邪魔で動きがなくなるようにも思えたので、仮に時間があっても結局ボツにしたかもしれませんが。


 今回、お絵描きツールとしてフォトショップ エレメンツ(バージョンは3.0)を使いましたが良く出来たソフトですね。ただし、文字関係とラインツール関係は難あり。文字ツールでは字間の設定などが細かく出来ないので自由が効きませんでした。ラインツールは背景オブジェクトの鉄骨の直線部分を引くのに使いましたが、何となく使い辛かったです。イラストレーターがあればうまく分担して効率よくかつ思うように仕上げられそうな気がしました。ペインターは無くても案外やっていけそうな気もしました。レイヤー機能と豊富なブラシを使い分けることがコツなのかなあ.......。

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