Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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抜けば水玉散る氷の刃!

img ランディのプレイが堪能出来る、ブートが多数アップされているサイト 「Eternal Randy Rhoads」。(http://www.eternalrandyrhoads.com/)  

 ひさしぶりに見てみたら、ファイルがだいぶ追加されていました。嬉しい事に、82年1/22のブートが追加されていました。当ブログでずっと前に、同日のサンプルMP3を聴いてとても気に入った事を書いたと思いますが、その日のブートです。

 それでダウンロードして早速聴いてみたのですが....................これはやはり名演だと思います。よく...81年の6/27、ロングビーチでのプレイが、ソロの流麗さはもちろんオブリ等もばしばし決まりまくっていて、ミスらしいミスも無く冴え渡っているといわれたりしますね。確かに剃刀の様な切れ味のあるプレイで、「パラノイド」のソロ等は、悪魔の様な切れ具合に感じます。もちろん好きです。 でも! 個人的には、ツアー後半に導入した「Suicide Solution」のギターソロ後のインストが大好きなので、ツアー前半だったロングビーチではまだ演奏されていないのが残念です。


 一方、このミルウォーキーでのライヴでは、インストが入っています。またそのインストもそうなのですが、全編に渡ってプレイが神がかっているのです! その上、「Tribute」では聴けないフレーズが、他の日のプレイと比べてだいぶ多いのです。ちょっとこの日だけ特別な様な....雰囲気も、そんなフレーズ等からどことなくモダンなサウンドに聴こえてきます。日によってはランディもそうなのですが、キーボードのドン・エイリーのプレイに粗があったりしていて、少し気になってしまうのですが、この日のプレイはとても安定していますし、ギターとキーボードのアンサンブルがとても良いと思います。「Crazy Train」のイントロリフ(1:11、4:00、5:38)等のようにユニゾンでプレイしている箇所は、重厚なサウンドになっていて心地よいし、メインリフ部分(1:25、4:14)は、ヴァンヘイレンの「Jump」の様なポップな雰囲気も感じられます。........うん、やっぱりランディのプレイはもちろん、キーボードのサウンドがファットで包み込む様なトーンを多用しているのが、意外に大きな要因ではないかと思います。「Suicide Solution」の最後のアルペジオなど、キーボードの効果音的なトリッキーなフレーズも外れていない気がします。

 トリッキーと言うと、ランディの随所に弾かれるオブリも凄い。「Steal Away」(1:31)、「Suicide Solution」、「Paranoid」(0:40)などの、ハーモニクスの様な(実際ハーモニクスの場合もある)フレーズが冴えています。「Suicide Solution」での(ギターソロ後の)インスト導入部分はそんなランディのハーモニクスプレイが入っていますが、あれが個人的にはたまらなく好きなのです。その後のかっちりと構築されたメロディも最高ですし、そこから滑らかに続く後半のタッピングによるブロークンコードのプレイも同様にとても素敵です。

 ソロはと言うと、例えばファンの間では駄作扱いされたりする「No Bone Movies」ですが、この日のランディのソロは「Tribute」でのものとは全く異なるソロをとっています。「Tribute」に慣れた人にはかなり新鮮なはず。「Mr. Crowley」は本当に素晴らしい内容です。テンポもスタジオ盤はもちろん「Tribute」でのものより早いのに、ミスも無く、1stソロでのフレーズも多少異なっており個人的にはモダンな印象を受けました。

 また珍しい事に「Over The Mountain」がプレイされています。セットリストの順は「Tribute」とはかなり異なっています。ちなみに.....「Tribute」に収録されたのは81年の5/11 オハイオ クリーブランドでの音源をベースに、ランディのギターソロを81年の7/28/81、カナダのモントリオールでのライヴでプレイされたものを継ぎはぎしているようです。(2chランディスレで過去で取り上げられていました)どちらも、冒頭のサイトにアップされています。


 全体的にとても素晴らしい出来ですが、敢えて言うなら「Over The Mountain」と「Believer」。「Over The Mountain」はスタジオ盤のと比べてしまうとソロの再現度がちょっと低い........かもしれません。ちなみに後半(3:38)に爆音のノイズが入ります。w  初めて聴いたときは爆音でヘッドフォンで聴いていたので、心臓が止まりそうでした。「Believer」は........イントロ、なんかルディのベースのチューニングが合っていない気がします。ベースに絡んでくるランディのフレーズと合っていなくて(いや....ランディのオブリもちょっと.....)、ちょっと気持ち悪い........です。却って、より怪しげなカオスな雰囲気になっているとも言えますが。曲の後半は安定しています。「Children Of The Grave」は悪くありませんが「Tribute」の方が個人的には好きかも。ちなみにオジーもテンション高いかも。「Suicide Solution」などでかなり煽っています。

 
 ........というわけで、個人的には「Tribute」と甲乙付け難い位、気に入っています。本音を言えば、この日のものをアルバムとして出して欲しかった.....かな..........。ランディの記事が載っていた雑誌(プレイヤーだったかな)に、トミー・アルドリッジのコメントが載っていて、確か「(ランディやルディも含めて)オレたちはブラックサバスが特別好きってワケじゃなかったから、日によっては演奏がめちゃめちゃになってしまったこともあった。」とか「アルバム『Tribute』よりも良い演奏はたくさんあった。」とか。う〜ん......。こういう話は良く分からないのですが、例のサイトに多数アップされているのは、ブートなわけで観客に混じって録音されたものなんですよね....? オジー側もたまたまなのか同日のものを録音していたわけですよね。それに別の日のランディのギターソロも継ぎはぎしているところから察するに、他の日のもいろいろ録音してあるのではないかと思うんです。また、80年代初期とはいえ、他の有名なバンドのライヴでは映像が多数残っているのですから、サバスから追い出されて落ちぶれて、ソロとして再起を果し始めた頃のオジーとはいえ、いくつか映像を録画していたとしてもおかしくないと思ってしまうのですが.......。前に紹介しましたが、YouTubeに観客が録画した映像さえあるのですから、オジー側がひとつも録画していないということは、あんまり考えにくい気がするのです。う〜ん.........。


...........そういえば、ギターマガジンでのドロレスへのインタビューの中に、ドン・エイリーと3rdアルバムのための曲作りに少し取りかかっていた様ですが、そこにはランディが思い描いていた、クラシックとロックとの融合が具体化されていたのではないか......とも話していましたが、思うに「Suicide Solution」のインストは、その具体化へのさきがけとなったものではないかと、邪推してしまうのですがどうでしょうか。これを聴く度もしもランディが生きていたら、その後のジェイクやザックが加入した際のものとは、かなり方向性が変わっていったのではないか、とも思う事もあります。もちろんジェイクやザック在籍時のも大好きですよ。でも、そう思わせるサウンドです。


 とにかくこれはお勧めです。凄過ぎます。ブートなので録音状態は箇所によって不安定な場合もありますが、トータルのサウンドはとてもよく録音されていると思います。ブートと言うと本当はxxxなのですが、正直録音してくれたことに感謝したいくらいの出来です。


「抜けば玉散る氷の刃」の様な切れ味のプレイです。
(ちなみに↑の名文句は『南総里見八犬伝』に登場する名刀「村雨」のこと。 抜き放った刀が玉を散らすたように、きらきらと光っているという意味から、十分に研(と)いであって少しも曇りのない、切れ味の鋭い刀の形容。....いろんな意味でランディ、もしくはランディとオジーの良い形容になるかなと思って。)


「Eternal Randy Rhoads」(http://www.eternalrandyrhoads.com/)

01/22/82 Milwuakee, WI
http://eternalrandyrhoads.com/82_01_22/upgrade/

「Suicide Solution」(インストは7:50〜途中ドラムソロを挟んで再度11:48〜演奏されエンド)
http://eternalrandyrhoads.com/82_01_22/upgrade/06.mp3
「Crazy Train」(演奏は0:41〜 それまでオジーのMC)
http://eternalrandyrhoads.com/82_01_22/upgrade/03.mp3
「Mr. Crowley」
http://eternalrandyrhoads.com/82_01_22/upgrade/02.mp3

 
 
 ..........前回の書き込みで、ランディのギターの構え方で、ギターのネックと伸ばした右足が一直線になるような......というのは、今回冒頭に貼った写真がかなりその特徴を捉えていると思います。......ギタマガにも載っていましたね。シェンカーもカッコいいけど、ランディのフライングVの構え方はカッコ良過ぎ。サイコー(^∀^)  そういえば、オジーバンドに加入してから、それまでの(QR時代)とはうってかわって、鋲をぼこぼこ打ち込んだレザーのノースリーブのジャケットを羽織っていたり、やっぱり鋲ビシビシのリストバンド、ストラップを身につけていたりしますが、あれってカッコ良過ぎますよね! でも.........2chのランディスレでけっこう昔の書き込みに、実はランディ本人は、ああいう衣装が嫌いだったそうなのですが、それって本当??? 似合い過ぎだと思っているのに〜。

img衝撃のランディ子犬虐待画像!(んなわけないですが、でも痛そうだw)  
子犬:「そんなに強く抱きしめないで。おなかにトゲが当たって痛いよう」

 
..........ちょうど2chランディスレの話題(ブートとサイト)と被ってしまったので、急遽、下書きしていたものをアップしました。
(2007/3)

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