2月中はずっとギターの世話をしていました。
長くなるので、まずは購入したギターについてから書きます。
PLAYTECH ( プレイテック ) >FV430 WHITE 【サウンドハウス】
青FVに続いて白FVを買いました。
同じFVタイプのギターを買った理由は、プレテクのFVのサウンドが気に入ったことと、青FVのサブ機が欲しかったということ、でした。安ギターにはプレイテック以外にメイソン(フォトジェニック)もありますが、プレテクの白色は、色あせていない本当に真っ白なホワイトなので、それも購入理由の1つになります。(メイソンのはクリームホワイトっぽい)
前回、1ハム改造用に買ったプレテクのストラトは塗装面に塗装焼けみたいな箇所があって、せっかく望むサーフグリーン色のを期待していただけにちょっと残念でしたので、今回は塗装もキレイなものが届くのを祈りました。(値段が値段だけに高望みは出来ないのですが)
…そして届いた白FV。期待と不安の中梱包を解いて現れたギターをチェック。傷などが目立ち易い白色だけにあまり期待していなかったのですが、見えにくいボディ裏に打痕1箇所、それにヘッド裏の塗装のかすれ、の程度でした。安ギターですが、清楚な白でとても気品が感じられます。
そして音出し。これがまずかった。すごいノイズです。弦・ブリッジに手を乗せればいくらか軽減するものの、ノイズが酷過ぎました。3年ほどまえに買った青FVはそれほどなかったので、その差にびっくりです。とりあえず音を出してみた感じでは、青FVとそれほどサウンドの違いはないようです。若干低音が弱め、もしくは中音域が若干強めに感じられましたが、青FVとは弦も違うしセッティングも同じではないので、これから調整しようと思います。
青FVとの外見上の違いは以下の通りです。
・指板がバインディングされている。
・ピックガード右側の4つのビスが3つになり、ジャック下部は逆に2つから3つに増えている。
・サウンドハウスのサイトの写真では以前と変わらないが、今回届いたFVではネック側のストラップピンが右側ではなく左側についていた。それのせいかヘッド落ちしませんでした。
・これは配線ミスかもしれませんが、ピックアップセレクターのセンター時、フロント/リアのどちらかのボリュームを0にしても音が出る。
そのうち中も見てみます。
ノイズ軽減のこともありますし、スイッチポットを使った配線にもしようと思っています。
…以上が先月上旬のはなし。
その後、改造の計画を練り、必要パーツをギターワークスで注文し翌週から作業に入りました。
続きです。
中を開けてみました。
スイッチポット取り付けのために少し内部を削る必要があり、削ってみたところメタリックレッドのような明らかに塗装された面が現れました。気になり他のザグリ部分も削ってみると、同じような塗装が。思い返してみると、梱包に明記されていた品番も色を示す「P」が二重線で訂正され、その横に白色を示す「WH」が手書きで書かれていたし、どうも梱包も含め余ったものを寄せ集めて再利用しているのではないかと、疑ってしまいます。使われていた材も、ラワン材みたいな圧縮させた木材や、硬いもの柔らかいもの様々な材が使われていました。とりあえず3層になっていてトップとバックが比較的柔らかい材で、真ん中に硬い材が何ピースも貼り合わせている感じでした。
また、弾いていて妙にネックベンド出来てしまうので、気になってネックを外してみたら、これも酷いんです。ジョイント部の下部ボルト2本分の穴付近が欠けて剥がれていました。剥がれかかっていたものを見てみると、木片ではなく塗装部分でした。4mmほど塗装の厚さでシム代わりになっていた具合です。
配線ですが、ボリュームポットが3→2ではなく2→3の配線でした。だからセンターポジション時に音が消えなかったわけです。トーンポットの配線もギブソンのものとは異なり、2番にセレクターからのホットが接続され、そのままジャックへの出力になっていて、コンデンサは1番に繋がれていました。こうしてみると配線は、ジャズベースに似た配線だったみたいです。それとブリッジアースが非常に甘く、ほとんどスタッドに触れていませんでした。
…これが本来のプレイテックのクオリティなのかもしれません。ただ自分の購入歴から見ると、買う度にクオリティが落ちています。たまたま初めが当たりだったとも考えられますが…、今回のFVはピックガード裏にアルミシートすらも貼られていなかったし(去年末購入のストラトには貼られていました)、ちょっと酷いと思います。
が、そんなギターだからこそ直す意味もあるし改造するには持ってこいです!
当初は、スイッチポット付け替えるだけでいいやと思っていたのですが、結局施したのは以下の通りです。
・ポットの位置変更
それに付随して、
・ボディ切削
・ピックガード穴開け/穴埋め
・配線変更
・1芯シールドのハムバッカーから4芯に変更
・キャビティ内にアルミシートを貼付け
・ネックジョイント補修
まだまだギターいじりは日が浅いので、大変でした。
ボディの切削は、トリマーとかがあれば楽なのでしょうが、根性で彫刻刀で削りました。細くザグられていた部分を拡張する感じの作業だったのでそれで済ませましたが、硬い材は削るのが大変でした。おかげでどんな材が使われているのか少し分かりました。w
4芯にするのはそれほど大変ではありませんでした。コイルテープを剥がして隠れていたタップ線をばらして延長させて、元に戻せばOKでした。
スイッチポットの配線は、コイルタップのON/OFFが出来るようにしました。ピックアップセレクターと組み合わせると、フロントハム、フロントコイルタップ(疑似シングル)、フロントハム+リアフロントハム、フロントコイルタップ+リアコイルタップ、リアハム、リアコイルタップ…の6種類の音が出せるようにしました。コイルタップの音ってシングルの音そのものにはなかなかなりませんし使える音になるとも限らないのですが、今回は割とよい感じに鳴りました。コイルタップしたセンターポジションのハーフトーンは今回初めて試した配線ですが、クリーンで使える音でした。セレクターやノブの位置も58年タイプのFVに近い一直線に並ぶ配置にしたので、コントロールもし易いです。
アルミテープじゃなくて本当は導電塗料を塗布するのが良いのでしょうが、勿体ない気がしてホームセンターで買ったアルミテープを使いました。これが効果抜群だったのかノイズが激減しました。ピックガード裏とキャビティ内にもれなく貼付け、ブリッジアースへ繋いだだけなのに、ほとんどノイズはなくなりました。すごいです。
ピックガードの穴埋めは、アクリル板を大まかに切り取ったものをヤスリで削っていき、穴に合うようにし接着はグルーガンで済ませました。ピックガードは白いので着色はどうしようかと考えたのですが、修正液を裏から塗って済ませました。
ネックジョイント部の補修ですが、適当な木材がなかったので使い古しのピックを削りだして欠けた部分の面と厚さを補えるように、積み重ね接着しました。ネックポケットの隙間もだいぶ空いていたので、アルミテープを貼り合わせて厚さを調整し、程よく密着出来るようにしました。
…以上、プロのリペアのレベルから程遠いクオリティなのですが、とりあえず済ませられました。「どうせ1万ちょっとのギターだし」ということもあったからこそ、手を加えられたと思っています。また、配線なども全て外しボディを削り始めてしまった以上、完遂しなくてはギターも可愛そうだと思ったからこそ、クオリティはともかく作業を終わらせる事ができたのだと思っています。
以前よりもギターをいじることに抵抗がなくなりました。…なんとなくパソコンの内部をいじることにも共通しているようにも思えます。相乗効果でしょうか。それまでの自分だったら廃棄してしまいそうなところを、使えるようにしているわけですから、やってよかったかなあ。