....................気になるといものには、やはり理由があるというわけなのかも。
たぶん、ご覧になった方も多いと思うのですが、去年(2004)の12/14の読売新聞紙面に「ルイ・ヴィトン 時空を超える意匠の旅」展の紹介が載っていました。この展示には読売新聞が主催として関わっている様なので、他の新聞でも同じ内容で載っていたかはわかりませんが、そこには展示の内容と同時に、モノグラムのルーツについていろいろ書かれていました。
以前から、どことなく気にはなっていたルイ・ヴィトンのモノグラム。1つも持ってはいませんが、今では当たり前の様に目にするので見かける度に、これって何かに似てるんだよな.......と思う事がありました。
LVモノグラムの考案は、創業者のルイ・ヴィトンではなく、2代目 ジョルジュ・ヴィトンによって、1896年に初めてモノグラムが誕生したようです。当時、パリでは、ジャポニズムという日本の文化が流行り、例えば画家だったら浮世絵などに影響を受けたりしていましたし(モネ、ドガ、ロートレックなど......)、その日本的な自然さや曲線が、アール・ヌーヴォーの文化にも影響を与えたと言われています。ジョルジュ・ヴィトンは、当時のアール・ヌーヴォー作家とも交流があったために、モノグラムにそのような影響があったと、紙面広告には書かれていました。
紙面に、日本の伝統の文様が合わせて載っていたのですが、それと比べると確かに似てる! 4つの花びらがついた模様なんかは、かなり似てるかも.........。
で、もう一つ影響を受けているかもしれないと言われるのが、中世ゴシックなのです。ジョルジュ・ヴィトンは、アール・ヌーヴォーと共に中世ゴシックにもかなり興味があったようなのです。日本の文様と同じく、ヴェネツィアの有名なゴシック建築、カ・ドーロ(Ca'd'Oro)の写真が載っていたのですが、そう!これっ!!! ど忘れしてた。別にこのカ・ドーロに限らず、ゴシック建築ではお馴染みのモチーフである、円形を4つ組み合わせくり貫いたデザイン、そっくり〜〜〜。もう一つの先ほどの4つの花びらを菱形の中にくり貫いたデザインもまたゴシックには見受けられます。
う〜、モノグラムにそんなルーツがあったなんて...........ってだからといって買う事は............一生ないと思うけど。w 当時の、今となってはアンティーク、あるいはヴィンテージともいえる、ルイ・ヴィトンのトランクもいくつか載っていましたが、昔の方のが良いかも! 金具とかリベットの雰囲気がクラシカルで、モノグラムの敷き詰め方ももっと詰めてあって雰囲気がだいぶ違います。 しかもでかいトランクケースは、扉を開けると中身がタンスみたいに引き出しがいくつも付いてたりして.....いかしてる! でも基本的なトーンは100年前のもちっとも変わっていないのが凄い。きっと100年後も変わっていないのでしょうね。
ゴシックを取り入れたバッグなどは無いと思っていたのに...........さすが王者は目の付けどころが違うよ! というか、ゴシックとかアール・ヌーヴォーっていうのには模様のネタが宝庫な気がします。 ゴシックの模様に関する洋書をいくつか持っていますが、実は意外にも幾何学的模様であり、コンパスで描けるデザインが非常に多いのです。ゴシック様式が生まれ流行った時代は、尖頭アーチのデザインが有機的だと言われ使い続けられてきたそうですし。(それを否定したのがイタリア。イタリアゴシック建築には尖頭アーチがあまり見受けられないのはそのせい)
ちなみにこの展示、兵庫県立美術館でしか開催されていないと思い違いしていたのですが、実は東京でも、六本木ヒルズ内の森アーツセンターギャラリーで、今月21日まで展示されているそうです。(ちなみに兵庫の方はすでに終了) 創業150年を記念して、創業当時のアンティークトランクから現代のバッグなどの展示の他に、資料等とともにモノグラムのルーツについての展示も。また会場デザインは安藤忠雄によるもの。
大事な事を忘れてた。 そうだ、ゴシック、ヴィトン、モノグラムに加えて、安藤忠雄が会場デザインするとかいうから新聞の切り抜きしたんだった! 見に行きたいけど、内容が内容だから......でも滅多に見られないだろうし.........でも、六本木の方はこっちからは遠いんだよね.....上野辺りなら電車ですぐなんだけど.................。ま、ヴィトンをこよなく愛する人は行くべきでしょうね。
カ・ドーロの写真
http://www.jssgallery.org/Essay/Venice/Casa/Ca_d_Oro.jpg
† 22:17
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以前見つけた、とあるサイトをネタに書こうと思っていたら、昨日の新日曜美術館でそれを取り上げていました.....。もうびっくり!
何についてかというとですね、タイトル通りです。 はい、「おたく」についてです。
去年、ヴェネチアで開かれたビエンナーレで日本が出展したのが、ずばり おたくの文化です。アニメ、ゲーム、フィギュア、同人誌......などなど、混じりっけのない100%ピュアなおたく要素です。時代も変わったものです。まさかNHKでおたくを(しかも美術番組に)取りあげるとは...........なんということか.....................。
とりあえずサイトをご覧になって下さい。おたく:人格=空間=都市
本気でおたくを文化として真面目に取り上げて、それを出展したようです。
番組内でも細かく紹介されていたのですが、普段、クラシックな、もしくはアカデミックな美術を取り上げているあの番組の視聴者は、どう感じるか興味深いです。何かをむりやりカテゴライズしたり分析したりするのは、特にこういうものには無理があるような気がするので、これらを偏に文化だとか美術だとかそういう風に捉える事は難しいと思うし、説明するのも苦労すると思います。 おたくの要素の1つでもある「萌え」の意味についても取り上げていたのですが、これも同様に、説明する事は難しいと思うのです。 Don't think! Feel It!!って感じですよね..........。でも、「萌え」られないのにどうやって「萌え」を理解するんだ......なんて突っ込まれそうですが。w
いや、自分自身、「萌え」の定義がよく分かっていませんでした。.........."架空のキャラクターやその特定要素に対する、疑似恋情を表す言葉"だそうです.........。そうだったの.........。ということは、ゴシックは萌えない、ランディも萌えられないし...........ちょっと使い方が間違っていたかも。う〜ん、あ、でも、サロメとマタハリには萌えられるかも。w もうとっくの昔に死んじゃってるけどね。 2次元の世界のキャラには萌えられないよなあ......これが萌えられると、立派なおたくの一員なの?
他にも、おたくの部屋をミニチュアで再現したものや、海洋堂によるフィギュアなどいろいろ紹介されていました。ビッグサイトで毎年行われているコミケも取り上げられていましたね、そういえば。......また間の悪い事に、インタビューを受けた人が、おたくな風貌な人で........あーあ、これだからまたイメージ悪くなるんだ............。これがめちゃめちゃイケメンだったら受ける印象も随分違う気がする..........。なんというか、おたくの空間って"素人には窒息しちゃいそうな濃厚な香りが充満する空間"、ってイメージを浮かべてしまうんです。
ああなると、すぐ、やばいイメージに繋がってしまうし(ロリだとか)。そうなると、実際、性犯罪や誘拐/殺人事件なんかを起こした人間がそういう要素を含んでいた事実があからさまになると、ますますイメージは悪くなる訳で.........なかなかイメージをプラスにすることは難しいから、こういう番組等取り上げられる事は良い事なのかもしれません。
10年後、20年後.........."おたく"がどう変貌していくか、少し楽しみです。.........まだ、少しだけだけどね。w
† 23:00
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うぅ、やっとカレンダーが届きました。......注文したのは去年の年末だというのに。
買ったカレンダーはね、フェルメールの!!!
かなり嬉しいです。
去年、都美で「栄光のオランダ・フランドル絵画展」を見に行って、お目当てのフェルメールの絵(「画家のアトリエ」)を間近に見られて(とはいってもこの絵のみ分厚いガラスケース&柵で1メートルくらい離れてでしたが)、感激してしまい、それ以来すっかり虜になってしまいました。
フェルメールはかなり謎の多い人で、なおかつ生前に描かれた絵の数も大変少なく、約36枚くらいしか見つかっていません。また、超人気の画家でもあるので、狙われ易く、実際、2枚程盗まれてしまい今も行方不明(だったはず)。絵も各国に散らばっている状態ですからどこも門外不出状態なので、お目にかかれる事は難しい。(日本国内には1点もありません)
ですから、この展示を知って、見に行かなくてどーすんの!って感じで、ほとんどこのフェルメールのたった1点目当てでわざわざ都美に行った様なものです。......というか、実際、ほとんどの人がそうだったと思いますが。事実、フェルメールの絵は、大トリ扱いで、館内出口直前に前述の様に、この絵のみ柵+大袈裟なガラスケースに護られて展示されていて、それを見るのにえらい時間が掛かってしまいました。だって物凄い人だかりなんだもの!!! そこだけすごいの。5、60人くらい固まってて全然動かないんだもの! 遠くからでは全然拝めないし、これを見ずして帰れるか!って感じで、もう覚悟決めてとりあえず並んで、30分くらい並んで、ようやく絵の前に..............!!!!
絵の分からない自分にも一瞬見ただけで、この絵は今まで飾られていた絵とはまるで違う!!!ってピーンと感じました。......本当に違うんですよ。空間というか、なんか空気が描かれている様な感じに見えるんです。色彩は物凄く綺麗で、深みのある物静かな雰囲気なのに、どこか生々しいというか、不思議な錯覚に陥る様な...........何と言ったら良いやら、言葉では表現できないです.........。
フェルメールの絵は以前から知っていましたが、それほど有名な画家だとは知りませんでした。初めて見たのは、高校の音楽の教科書の表紙なっていた絵かな。......当時、フェルメールなんて名前どころか美術の知識もなかったにも関わらず、「この絵、なんか不思議な絵.....。」と感じたのを憶えています。何故かその絵が気に入ってしまい、その教科書だけは片付けず、ずっと手元に残してありました。その絵は「音楽のレッスン」というタイトルのもので、展示されていたものと同じ感じで、室内で後ろ向きにピアノに向かっている女性が描かれている絵です。この絵には、ちょうどピアノの真上に鏡が掛けられていて、ピアノを弾いている人物の表情が映っているんです。その隣で(おそらく先生)男性が弾く様子を窺っています。.....どことなく、恋人同士にも見えてしまいそうな...俯く顔と横顔が何ともいい感じなのです。
フェルメールといえば! 青の魔力を存分に活かした画家です。 個人的にこのネタはお気に入りです。だって、大好きなラピスラズリだから! そう、フェルメールは、当時、金と同じ位高価だったラピスラズリを絵具にして、青い部分はもちろん、下地として他の色の部分にも塗っていたそうなんです。影の黒い部分、肌の部分、青色でないのに塗ってあるのだそうです。ラピスラズリの深く鮮やかな青色が、見る人に直感的に何か訴えているのでしょうね。まあ、他にもフェルメールのネタは尽きないのですが、とりあえず今回はここまで。収集つかなくなります。w
本当、フェルメールのカレンダーが部屋に飾れるだなんて嬉し過ぎ! モローの絵が一瞬、頭の中から消えてしまいそうな.....程だから。w あの展示でも......そういえば、レンブラントやルーベンスといった巨匠たちの絵もあったのですが、あの時だけは、巨匠たちの絵もフェルメールの絵に座を譲るしかなかったですね。もちろんすごく良かったけど。有名なルーベンスの自画像があったし、レンブラントも、ああやっぱりこの光と影はレンブラントだけだよ.....って思っていたけど、最後のフェルメールに全部持っていかれちゃった。w
カレンダーが今になって届いたのは、もうひとつの品物がちっとも揃わないからだ.......。未だに入荷されていない状態で自動的にフェルメールの方だけ発送されたという訳なんです。そっちのちっとも来ない品はね.........ビアズリーのカレンダー。......2つもカレンダー買ってどーすんだよって感じだけど、こっちは画集の代わりで買った様なものだから。 3〜5週間かかるなんて.......何やってんだ〜。発送予定は3月上旬って.........あはは。w 気長に待つよ。ビアズリーのカレンダーも部屋に飾るだけで、部屋の雰囲気が変わってしまう.....くらいだから。
Beardsley, Aubrey 2005 Calendar
Vermeer 2005 Calendar: Master of Light
「真珠の耳飾りをした少女」.....この深いまなざしと瑞々しさ....最高!激萌え!
あ、書き忘れる所だった....。 なんだかまた日本にフェルメールの絵が来るとか耳にしたけど.........。本当だったら絶対行く!
† 23:26
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今夜の世界美術館紀行は、チェコのプラハ美術館を取りあげるのですが、中身はほとんどミュシャだったりします。.....実はこの番組、地上波に先駆けてBSで同じ週の火曜日に放送するんです。なので、既に見ているので内容を知っているというわけなのです。 冒頭、他の画家の絵も取り上げていたのですが、その後はずっとミュシャばっかり。初めて手掛けたポスター「ジスモンダ」などから、後期の傑作「スラヴ叙事詩」まで、30分番組なので、なかなか詳しい所までは紹介されませんが、それでも一通り拝めました。
たぶん、このプラハ美術館はミュシャばっかりなのではないと思うのですが、きっと、現在、都美でミュシャ展が開かれているからなのでしょうね。
この番組「世界美術館紀行」は、好きです。コンパクトにうまくまとめられていて良いです。同局の「新日曜美術館」は、なんか個人的にxxxxxだし、テレ東の「美の巨人たち」は、有名どころは既に出尽くしてしまった感じで、最近はマイナーばかりで、ちょっと、ね。
まあ、世界美術館紀行の方も、ルーヴルやオルセー、プラド、メトロポリタンなど、メジャーな美術館は既に放送されてはいるのだけど.....。細かくシリーズにして分けているから今後も取り上げられるとは思うので、まだまだ楽しみです。
それにしても、ここんとこミュシャづくしだ......。
† 18:32
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ムンク / マドンナ
モロー/救済される聖セバスティアヌス
以前、群馬県立近代美術館へ行った際に、ミュージアムショップの奥を物色していたら、過去に開かれた展示会の告知ポスターがいくつかあったので、見てみたらなんと、モローの絵がポスターになっているのがあるではありませんか!!!! しかも¥200だなんていう破格の安さ。 もうひとつ、おっと思ったのが、ムンクのマドンナ。実は、その時開かれていた「西洋の誘惑」展でも展示されていたもので、またかなり前の買った(新潮文庫の)ボードレールの「悪の華」の表紙にもなっていたもので、結構好きだったので、これも合わせて買ったんです。
で、先週パソコン周りの整理が終わったのでようやくそれらのポスターを飾ったんです。
..........ところが..................。
夜、ふと目が覚めて見えたのが...........ドクロ顔の女!!!! ............ひぃっ.、幽霊!?....って感じであわてて明かりを付けたら、そのドクロは、ムンクのマドンナでした...........。明るい所では別にそうでもないのですが、薄暗い所で見ると、どう見ても顔がドクロにしか見えないんです.......。ベッドの脇に立て掛けてあった上にけっこう大きめのポスターだからなおさら。迫力満点! いや、冗談抜きで怖かったです。
.......まったく、部屋に飾る絵は暗い雰囲気のはやめとけって言われてたけど、う〜ん、やっぱりそうだね。 だめだ怖過ぎる。まさに死の女!!! あんなのに本当に霊が憑いたりしたら........(((( ;゚д゚)))アワワワワ
その点、モローの方は別に問題ないからよいけど。しかも元の絵よりもサイズが大きいっていうのが(・∀・)イイ。 実際の絵のサイズは本当に小さくて、モローが同様のセバスティアヌスを取り上げた大きな絵を描いていることから、なんとなく習作みたいな感じなのかもしれませんし、たたでさえサイズが小さいのに描かれている人物も隅の方にちょこっと描かれているだけだったので、なおさらです。 拡大されたポスターだと、なんとなくイメージが少し違う様に思えてきました。もっと味わい深くて憂いのある様な色彩にすっかり骨抜きにされてます。
とはいえ、やっぱり有名な方のセバスティアヌスの方が好みといえば好みですけど。これですね。 描かれているどちらの人物も好きですが、特に右側の天使が好きです。目がくりっとしていて、セバスティアヌスに目を向ける表情としぐさが、萌え。 あとは、上から血が滴り落ちる様な十字架も、なかなかモローらしく好きです。
この聖セバスティアヌスは他の画家も良く取りあげる聖書の中の1シーンなのですが、どの絵も、みなセバスティアヌスの露出度が非常に高く、かなりきわどいものもあるのですが、モローのはその中でも一番かも。ほとんど「竿」に布切れが引っかかってるだけじゃないの....。w
話を戻して、近代美術館では過去に開いた展示会の全ての告知ポスターがたまたま展示されていて、その中に、ビアズリーの「サロメとヨカナーン」の絵が使われていたポスターが!!! 完全にモノクロのポスターで、.......最高に欲しいポスターでしたが、在庫のポスターは残念ながらありませんでした。・゚・(ノД`)・゚・ ムンクとモローの絵が使われているポスターはまだいくつかあったのですが。(....ということはあれかい、あんまり人気無かったってこと? ..........う〜) しかもビアズリー展が開かれていたなんて! もっと早く気付いていれば............かなり悔まれます。
でも......サロメとヨカナーンのポスターなんて飾ったら.............夜が怖過ぎる............。萌え死にするか、首が飛ぶか、どっちかだね。w
† 08:54
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アルフォンス・ミュシャ フィギュア ミュージアム
うわ〜、こんな食玩が発売されていたなんて!!!
かなり欲しい........。
原型は食玩/フィギュアでは超有名な海洋堂だし...サイトの写真を見てみたけど、かなり細かい!!! もともと2Dだったものを3Dにするのって、貴重だと思うんです。 それがミュシャのなんだからなおさらのこと。
くっ.........まだ売っているのかな........? デモンズクロニクルにしろいつも気付くのが遅過ぎる..........。
ここ に書かれていますが、『本格的女性向け玩具付き菓子』.........客層を拡げるため.....? 確かに今までの食玩は、ちょ〜っとヲタ臭い感じがなきにしもあらずという感じだったから、まあこういうのもいいとは思うけど、果してミュシャの食玩に気付く女性は多いのかどうか、気になります.......。
ミュージアムショップに積まなきゃダメでしょ! (なかった、よね....?)
† 02:23
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ミュシャ展
エミール・ガレ展
今日見てきました。最初にエミール・ガレ展が開かれている、両国の江戸東京博物館へ行き、その後、ミュシャ展の東京都美術館へ行ってきました。
江戸東京博物館で、エミール・ガレっていうのも何だか似合っていない様な気もするのですが(個人的には、庭園美術館辺りが似合ってそうな気がしますが...)、久しぶりに常設展の方も見てきました。
エミール・ガレは、ガラス職人だった人で、ご存知の方ならもちろん知っている、昆虫や植物などがモチーフにされた、有機的な装飾の花器やランプなどが一挙に展示されていました。このエミール・ガレが手掛けるガラスは、多層構造になっていて、........すごく表現できないのですが、とにかく普通のガラスの花瓶なんかとは違うのです。ガラスを付け加えたり、象嵌にしたり、削ったり、とにかく精緻で素晴らしい作品ばかりです。先週の「美の巨人たち」でも取り上げられていた、最晩年の傑作、「手」も展示されていました。エミール・ガレの作品を見たのは今回が初めてではなくて、以前、庭園美術館で開かれていた「ベル・エポック」で見たのが最初でした。あの時は、ガレだけの展示ではなかったので、ほんの数点だけでしたが、今回は本当にたくさんの展示数で、初公開のものも多数あったとのことで、大変充実していました。
驚いたのは、ガレが手掛けた家具です。.......ガレといえばガラス作品だけかと思っていましたが、木材を使ったテーブルや棚などの家具も手掛けていたんですね。知りませんでした。 この家具も素晴らしく、細かい象嵌が施されていて.....そのテクニックぶりに感動しました。 しかも、平面的/立体的にデザインされていて、家具自体があたかも空間であるかの様にも見えてしまう作りには本当に驚かされました。
そういえば館内の別ブースで、テレ東系列の「お宝何でも鑑定団」の公開収録(出張鑑定?)していました。エミール・ガレ展にちなんで西洋アンティーク関係の内容だったらしいです。若干当日空きがあったようですが、すごい人だかりでした。あれはすぐ閉め切ったでしょうね.....。
そして、都美のミュシャ展。ミュシャは人気があるので、人が多いのでは....とは思っていましたが、やはり予想通り凄い賑わい。中へ入っても人が全然動かないし......、牛歩状態。足を止めたくなる程どれも(・∀・)イイですものね。ミュシャは、画家でもありますが、どちらかというとポスターなどを手掛けたイラストレーターの先駆けみたいな感じに捉える人が多いと思います。実際、サラ・ベルナール主演の劇の告知ポスターなどは、ミュシャが手掛けた代表作でもありますし、あれこそがミュシャのスタイルでもあります。........本当、アールヌーヴォーの素敵な箇所を全て押さえているかの様な作風。華麗な草花の装飾、フレームに、デザイン的にカールした女性の髪など...あの、独特の線画が好きです。絵描きさんにもファンが多いのもうなづけます。印象的なシンプルなラインがまずあって、そこからパーツごとに細かく描かれている様な....そんな風に見えます。個人的には、すごくポップに感じます。幾何学というか.....本当、線画がはっきりを縁取りされたところがすごく印象的なんです。.......あとはとにかく綺麗。もうこれについては言うまでもありませんが。
どちらも、共にアール・ヌーヴォーの美術です。つまりガレもミュシャも生きた時代がほぼ同じだったということですね。お互い影響を受けた事は......なかったっぽいですが、共通する部分が随所に見受けられました。
そんな充実した一日で終わるはずだったのですが..........、実はミュシャ展を見終え、さあ帰ろうと都美の正門を出た瞬間、段差に足をもろにくじいてしまいました。........曲がってはいけない方向へ足首を曲げてしまい(内側にですね。)、瞬間、(骨の折れる音ではない..と思う)ボキボキっと鈍い音が.........。こんなのは初めてで、まともに歩く事が出来ず、救急車でも呼ぼうかと思った程痛くて.......。それでもなんとか足をひきずりながら上野駅まで到着し、運の悪い事に、遠い15番線の高崎線のホームまで行き......まあ、なんとか電車にも乗る事が出来て、家にもなんとかたどり着く事が出来ました。帰ってきてから足首を見たら.......なんだかめちゃめちゃ腫れていて.....もしかしたらやばいかも.......。何もしていなければ痛くはありませんが、ちょっとでも動かすと痛くて....ろくに歩けない状態。とりあえず湿布を貼って様子見です。
なんだか......結構凹みました。
それに実は、ミュシャ展......(異常な程)カップルばっかりで.....泣きたくなりました。あれってきっと彼女に連れられて彼氏は一緒に来ていたのだと思いますが........羨ましいです(羨まし過ぎる)........。独り身にはかなり応えます。あんなにカップルばかりだったのは初めてです。......しかも年齢層も自分と同じ年くらいのが一番多かった感じだし.....ああいうのは本当楽しそう.....。
思えば、年明けて、トラブル続きだったりします。.....日記には書いていませんが、MDレコーダーが突然壊れ、オーディオインターフェイスは不具合続きでOS9では使えないし..........、今年の不幸はこれで終わりにしてほしいと切に願います。....なんだかみじめな気持ちです.。.....本当、泣きたくなりました。ウワーン・゚・(ノД`)ヽ(゚д゚)カワイソーニ
それはともかく、とりあえずエミール・ガレ、ミュシャ共にお勧めです。ミュシャは、お絵描きする人には特にお勧め。きっと参考になる所があると思います。.......あ、でも一人ではいかないほうがいいかも.........。オメーニイワレタクネーヨ(# ゚∀゚);y=ー(・ω・)・∴ターン
† 21:24
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昨年同様、年末年始のためにいろいろ本をアマゾンから注文したのですが、結局全然読んでません。
けっこう買い込んだのですが..........ろくに目を通してもいない状態......。
いちおう買った本を書いておきます。(誰も関心ないとは思いますが)
アート・ライブラリー ロートレック
エロスの美術と物語 -魔性の女と宿命の女-
江戸300年吉原のしきたり
天使になった男
少女地獄
セックスボランティア
スクールランブル
xxxHOLiC
...........相変わらずめちゃめちゃな組み合わせだ......。しかもなにげに怪しげなタイトルばかり.....。w
「エロスの美術と物語」というのは、アマゾンのレビューを見れば分かるのですが、はっきり言ってタイトルが内容と合っていません。サブタイトルの方が近いです。要するに、ファムファタルを取り上げた絵画を紹介している本です。サロメがメインで取り上げられていて、その他ユディット、メデューサなども載っていました。......ほとんどサロメ大集合本、って感じ。w ネットでサロメを取り上げた絵画をかなり見つけたと思っていたのですが......甘かった......。こんなにいたとは! 首、首、首の嵐。頭を掴んでいるものもあれば、抱いているもの、キスを交わしているもの、すごいことになっています。取り上げた画家は、モロー、ビアズリーがメインに、象徴主義/ラファエル前派のロセッティなどでした。 全く持って個人的ツボをしっかり押さえられていた内容で、激萌え。 後でじっくり見ます。
「江戸300年吉原のしきたり」は、.....まあ詳しく吉原の事が知りたかったのと、樋口一葉を理解するには、吉原は避けて通れないかな、と思ったので読んでみる事にしました。
ロートレックのは画集です。また詳しい解説も載っていたので、彼の人生や性癖が良く分かりました。w 西はムーランルージュ、東は吉原、って感じで.........あぁ倒錯してる........。
「少女地獄」.....タイトルが、ロリ臭くて、勘違いされそうですが、夢野久作の作品です。夢野久作といえば、「ドグラ・マグラ」が有名ですが、とりあえずこちらの方が読み易そうかなと思ってこれを先に買いました。.......狂人が書いた小説だとか言われていますが、そのミステリアスで退廃的な雰囲気がするのに惹かれます。........癲狂院の雰囲気は結構近いかもしれません。けっこうお勧めです。別にやばげなものではないと思います。
スクランとホリックはいつも通り。スクランはやっぱりどこか懐かしいというか少年の記憶を辿る様な....そんな気にさせてしまうので好きです。絵も......7巻の沢近のドレス姿に萌え。.....ほんの少しだけ天広さんの描く咲耶や千影に近いものを感じます。ホリックは、和のゴシックという感じで、和風+ゴシック+魔術の世界に浸りたいなら、絶対お勧め!! キャラの表情、衣装、装飾、背景、どれをとってもそのスタイルで描かれています。....ゴシック好きなら買うべきです。
残りの2つは、新聞等でも取り上げられていたものなので、きっと皆さんご存知でしょう。
............買ったリストを見て思うことは、非日常な世界/雰囲気に惹かれる/味あう為に読みたがるのかも.....ということです。まあ、最近はデカダンス+ロマンスみたいな世界にはまっているので、ムーランルージュ、吉原に興味があるというのもあるのですが、これらをまた創作に活かせればと思っています。
癲狂院のデザインはおそらくそうでしょうし、以前作った「Burgundy Night」はまさしくデカダンス+ロマンスのイメージで作り上げたものでしたし.........いつかは、吉原の世界を独自に解釈して、曲に....してみたいです。
† 00:17
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過去に名を残した人物や歴史などの調べものをしていると思わぬ共通性に気付かされることがあります。亡くなった歳が同じだったり、あるいは同じような運命を辿った人達.....、偶然として片付けてしまえばそれでおしまいですが、どこか不思議な、.........同じ星から生まれて同じ星になった.....様な、そんな風に思えてしまうのです。そう思わせた人達の中でぱっと思い浮かぶのがやっぱり、ロックのキングとクイーンと言っても間違いないと思いますが、ジミ・ヘンドリクスとジャニス・ジョップリン。それと、こちらは希代のトリックスターと言ったら言い過ぎかもしれませんが、マタハリと川島芳子。どちらも同じ歳で亡くなっています。(もっとも川島芳子は、銃殺刑を逃れ中国国内で、ある日本兵と同棲生活を送り子供も生まれ、しばらく平穏な生活が続いた後に、何者かによって撲殺された、との話もありますが。) 特にジミとジャニスの場合は、ジミの死を追うかの様に亡くなっています。
........そんなシンクロニシティを満喫できそうなサイトを発見。
人生のセイムスケール
現在およそ1500人が掲載されています。前述のジミなどに貼ったリンク先も同サイトです。個人によるサイトなので取り上げる人物に多少偏りがあるのは仕方無いところなのでしょうがそれでも個人サイトでこの充実振りは素晴らしいです。あれこれ人物を思い出しては、掲載されているかどうかチェックしてしまいます。ベルト・モリゾが掲載されているのに、カミーユ・クローデルがないのはちょっと残念。どちらも女流画家/芸術家ですが、人生の明暗がはっきりと別れています。モリゾはモネやルノワールなどの巨匠達に恵まれ、その才能を発揮したくさんの素晴らしい作品を残し、おそらく人生も幸せだったはず。それとは対照的に、カミーユはその美貌からロダンに見い出され、彼の元に弟子入りし才能を発揮し始めたのは良かったのですが.....ロダンの作品と同じ位素晴らしく、どちらの作品かが分からなくなる程その才能は卓越したものだったのですが、いくら作品を発表してもロダンの作品を真似ているとしか評価してもらえず、挙げ句の果てにロダンとの不倫の末に精神を病んで精神病院へ入院してしまい、それ以降一切の作品制作を行なう事なく病院で亡くなっています。ロダンの言い分はちょっと同意できないかも。カミーユに同情してしまいます。.....だってあまりにも可哀想なんだもの......。いくつか作品を見れば分かると思うのですが、人によってはロダンのよりもカミーユの方が好きっていう場合もあるかもしれません。ttp://www.geocities.com/Broadway/3628/camille1.jpg
あとは......ジム・モリソンがあるのに、マーク・ボランがないのも残念かも。ジム・モリソンといえばドアーズのボーカリストで有名なロッカーですが、マーク・ボランだってT-Rexのボーカルとして、同じグラムロックのデヴィッド・ボウイと肩を並べる有名なロッカーでした。......でもボランは交通事故で死んじゃったんだ......。フライングVが似合う、美形のボーカリストだったのに......。ドラッグのオーバードーズで命を落としたロッカーも多いですが事故死もまた多いです。スティーヴィー・レイ・ヴォーンはヘリコプターの墜落死、ランディ・ローズはセスナ機による墜落死。オールマンブラザーズバンドの牽引者(もしくはデレク&ザ・ドミノス(エリック・クラプトンがいたバンド)「いとしのレイラ」でプレイした人と言った方がピンとくるかも?)、デュアン・オールマンはバイクを運転中に前に走るトラックを避け損ねて転倒し亡くなり、その同年に同じバンドメンバーだったベリー・オークレーもまたバイクによる事故で亡くなりました。事故死っていうと......俳優ですがジェームス・ディーンもそうでしたね。シルバーのポルシェ・スパイダーで亡くなってしまった.....。昔(といっても10年程前ですが)、リーバイスのポスターでジェームス・ディーンが写ってるのを見たことがあってあれがすごくカッコよくてリーバイスを履くきっかけになったような気がします。メガネを掛けた優しそうな表情も最高。
.........なんか忘れてるな...と思ったら、そうだ、シドを忘れてた! パンクのオーソリティ、セックス・ピストルズのベーシストだったシド・ヴィシャス。彼の場合は、恋人を刺し殺しちゃった挙げ句にオーバードーズだから.....ちょっとフォローのしようがないのですが、破滅型のロッカーのスタイルを極めている....とも言えるかも。21歳で亡くなっているし、何より美形です。ttp://www.r2tc.net/rockposters/ST2403.jpg
シドといえばもうひとりいます。シド・バレット。こちらはプログレのオーソリティ、ピンク・フロイドのバンドリーダーで、現在も存命です.....が、健康状態が気になります。というのも、バンド在籍時にドラッグと心身の疲労により精神に異常をきたしてしまい、脱退後、精神病院へ入院してしまい、その後は音沙汰無しの状態だからです。数年前のギターマガジンに載っていた記事には、母親が亡くなってさらに病状が悪化し、持病の糖尿病も悪化し失明寸前らしい....と書かれてあったので、ミュージシャン復帰は最早絶望との声も.....。ガセネタであればよいのですが.....。ttp://www.flupe.com/molm/images/syd.jpg
カミーユ、ボラン、オールマン、シド辺りは是非とも追加キボン。
ランディ・ローズが載っていたのは満足。伝説の美形ギタリストなんだから。.....ちなみに、東山魁夷の絵の良さが分かってもらえないなんて.....ショック。そうだ、山口薫も載ってない....あぁ。10代を見てみると.......山田かまちも.....一応載せておいてほしいです....。
ともかく眺めていると色々と考えさせてくれるサイトです。
† 01:12
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Notebookの中で今までいくつか美術館に行ったことを書いてきましたが、他にも書いていないだけで行ってきたのがいくつかあります。どれもとても良く書きたいのですが、書かずにずるずると放ったらかしにしてしまいました。
未レポートは以下のとおり。
マルモッタン美術館展(東京都美術館)
パリ1900 ベルエポックの輝き (東京都庭園美術館)
栄光のオランダ・フランドル絵画展(東京都美術館)
常設展+所蔵作品展 加山又造 + 所蔵作品展 近代日本の美術 佐伯祐三 (東京国立近代美術館)
横山大観「海山十題」展 (東京芸術大学大学美術館)
RIMPA 「琳派」(東京国立近代美術館)
西洋の誘惑 (群馬県立近代美術館)
......はっきりいってどれも素晴らし過ぎました。
今でも記憶は鮮明に脳裏に焼き付いていますので、くどく書けます。w
西洋の誘惑は今でも展示していますので、近場にお住まいの方は是非! 開館30周年を記念しての展示ですので充実しています。 個人的にはビアズリー、ロートレック、モロー、モディリアニが拝めたのが何よりの収穫ですが、全体的に文句無しの内容です。地方だからといって大したものがないと思ったら大間違いです。ピカソのゲルニカのタペストリーも今回飾られています。(世界で3枚うち日本にはここのみ) モネ、ルノワール、シスレーなどの印象派、ユトリロにヴラマンク、ローランサン、シャガール、ルオー、ルドンなどの後期印象/フォーヴなど、そして、ダリ、キリコ、マグリット、クレー、ミロ、カンディンスキーなどの近代.....と、誰もが知っているというような代表作はなかなかありませんが、それでも一目見て誰のか分かる絵ばかり。 常設展示では山口薫や福沢一郎、湯浅一郎などの群馬出身の画家の絵も多数展示されていますし 見る価値は絶対あります。
http://www.mmag.gsn.ed.jp/
† 22:55
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