「本を読んで....」の続きです。
オスカー・ワイルドの「サロメ」
これは一葉と同じく期待していた作品でした。
中身は.........思いっきりツボです! 期待を裏切らない内容でお気に入りです。しかもページ数がめちゃめちゃ少ない!! 100ページもないくらいで、しかもサロメの発言が少ないので、もう少し深く掘り下げて欲しかったなあ.....ちょっと残念かも。でも逆に設定が少ないから各々がいろいろ想像出来る、という風にも捉えられますよね。それでも聖書にちょこっとしか出てこないサロメをここまで魅力的な話に作り上げたのには感激。これが元になって、オペラや、絵画、以後におけるサロメ像を確立されたのでしょうから.....。
しかし、この和訳が最高。「あたしはおまえの口に口づけするよ、ヨナカーン。」
しかも頭部しかないヨナカーンに向かってこの言葉..........。まさしく「狂恋」という言葉がぴったりな、狂える悲恋の一場面。実際にこんな人いたら関りたくないけど、話の中なら別。最高。これぞ狂える、ソドムの王女、サロメ。シスプリの千影の先を逝っているよ.........。
もともとサロメを知ったのは、ギュスターヴ・モローの「サロメ」の絵を知ってからです。あの宙に浮かぶ生首の側で踊る王女、綺麗さと狂気のこの絵でサロメにハマりました。モローは他にもいくつもサロメの絵を描いていて、水彩だったり油絵だったりいろいろあるし、モローもけっこうサロメにはまっていたりして..........? ちなみに本のサロメの方には、これまた有名なビアズリーの挿し絵がたくさん入っています。耽美だけど、ちょっと妖し気な美しさが、サロメの挿し絵にぴったりですね。
ワイルドの作品には他に「ドリアングレイの肖像」とか「獄中記」など作品があるようなので、そちらも是非読みたいです。
あとは、売り場でたまたま見つけて衝動買いした「ランボー詩集」と「ロミオをとジュリエット」......何をいまさら、という感じですが、今まで読んだことなかったんだからしょうがない。「ロミオをとジュリエット」は、いい年こいた野郎が読む本じゃないような気もするケド、ま、いいか。(全然よくねー) しかし、初めてきちんと物語を知った気がします。すれ違いによって二人は死んで、王は事の重大さに気付いたが、覆水盆に帰らず..........。このすれ違う「時」の流れが妙に不思議に感じました。長いようでテンポよく場面の緩急にあわせた時の流れというか........。
ランボーって若い頃に詩を書いた、とかは知っていましたが、少年の頃から名を馳せていたとは.........。しかも20代半ばで書くのをやめてしまっていたんですね! 驚きました。ランボーの詩は、理解するのが難しい。じっくり一遍一遍読む必要がありますね。でも、いかにも少年/青年が書いた、って雰囲気が出ていて、やっぱり若い頃にしか描けないものってあるんだなあと改めて痛感しました。
そういえば、昨年末に、全国高等学校文芸コンクールとかいうコンクールの受賞作品が読売新聞紙上に掲載されいたのですが、まあ受賞しただけあって、本当に上手いものです。詩や、俳句、随筆、小説など7部門それぞれ載っていたのですが、高校生ってこんな感じだったっけ........?ってかなり自分の人生に疑問を思うことに.....。 そういうのを見るとやっぱり「今」しか創りだせないものってあるのかも........って何となく感じます。
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