ひさしぶりに買ったサンレコをぱらぱらとページをめくって見ていたら、あるページの写真に目が止まりました。〜イスに座り構えた格好が、なんというか王女の様な風格のある姿で、そして深く深く見つめるような眼差し.......そんな姿を見て、ピンときて。ただ者じゃないな、と。ほとんどの制作をひとりで行った、という記事を見て........もう買うしかないだろ、ってことに。
書上さんは、もともとエキセントリックオペラというユニットを組んでワールドワイドに活躍されいるそうなんですが、今回買ったのは、書上さんのソロアルバム「Baroque」という作品です。実際クレジット見たら、作詞作曲、ボーカルはもちろん、プロデュースにプログラミング、ミックス、エンジニア関係まで、コナしていて驚愕でした。
初めて聴いて、まず感じたことは.......、
なんだか、わけも分からず泣き出してしまいそうな、そんな気分になりそうな感じでした。心を引き裂いてしまいそうな、そんな感じ........。「狂える」というか.......(もちろんこれは褒め言葉。)最高!!
すごく素直で、すべてをさらけだすような........だからぐっとくるものがあるのかも。囁く様に、訴えかける様に、話す様に、叫ぶ様に.......歌う。歌の中の世界の人物になりきって歌うような、そんな風に聴こえてきます。
「トリップ&エロティック」(CDジャケ帯にそう書かれてます)ということらしいんですけど、これがそういうことなのかな.......。こういう音楽を聴くのは初めてなので、なんとも言えないのですが。個人的には、やはり、幻想的で、魔的、そしてなによりもすごく綺麗だな、って感じました。重厚で神々しいコーラスと優しくももの哀しいストリングス、そこにテクノっぽいリズムトラック、書上さんのボーカルが入る.......感じで。音像的には、ボーカルとリズムトラックがスピーカーにへばりついているかの様に前面に出ている反面、コーラスやストリングスが大聖堂で流れるかの様に、全体を大きく包み込む感じ。う〜ん、なんか高級ホテルのロビーとかで、爆音で流すとすごく良さげな感じですね。
曲は、サンレコの記事に現代音楽なんて言葉もあったりしたので、とんでもない奇抜な音楽なのかなぁと、構えてしまいましたが、いざ聴いてみたら、そんなことはなくて、すごくメロディックで、とても聴きやすかったです。また、曲だけでなく、歌詞にも注目したいです。ダーク&ヘヴィで、個人的にツボ。#2とかは、もうホント、女王様ですね。ちなみに全曲、イタリア語と英語で歌われていたりして、これも意外に重要なのかも。どこか日本ぽいけど、でも異国的な感もある、という。
アルバム曲中、モーツァルト「トルコ行進曲」とボサノヴァで有名なジョビンの曲「Corcovado」がそれぞれモチーフとして取り入れられている曲があるのですが......これ、気付かないですよ.....。言われてメロディを追って聴けば、あぁ確かにそうだなあ、って感じで。..........本当、感動するばかりです。なんて言ったらいいんだろう.....、カヴァーとかじゃなくて、きっと自分の中には、そんな風に聴こえていて、それを表現しただけなのかも、って........勝手な邪推ですけど、そう感じます。もう完全に別物だし。クレジットにもきちっとモーツァルト、ジョビンの名前がしっかり入っているけど、そこまでしなくても...、と思ってしまうくらい別物です。(誰かさんはこんな書上さんを見習って欲しい....。)
もうひとつ、パッヘルベルの「カノン」の有名なフレーズを取り入れている曲があるのですが、これもオリジナルとは全くかけ離れた曲想ですね。カノンの明るいフレーズと、ボーカルの哀しそうなメロディが折り重なって...感覚がおかしくなる........あ、これが「トリップ」なのかな。すごく不思議な感覚にさせてくれるような。優しいのだけど哀しい。相反する感情ですが、でもそれが見事に混じっているんですよね。これは聴いてもらわないとわかってもらえないかも。優しく撫でながら同時に泣きながら鋭い爪で引っ掻くような..........。
普段こういう音楽は聴かないので、なおさらぐっときました。周りの人にオススメしたいミュージシャンですね。........というか既にいろんな人に言いふらしてしまった。
少し調べてみたら......、書上さん、藝大卒なんですよね。もうなんかこれだけで、うわぁ〜って感じなのに、おまけに美人で......。(ちなみに、CDジャケットよりもサンレコの写真の方が個人的には好き、って何言ってんだ。カチャy=ー( ゚д゚)・∵. ターン) しかもしかも!驚いたことに......群馬出身。もう正直、なんて言ったらいいか........越えられない壁があるって感じで、雲の上の人なんだなぁ、と。でも同じ群馬人だから、応援したくなります。「世の中に蔓延してる音楽を蹴散らしてくれ〜、書上姐さん!」って。w
...........やっぱり、、CD聴き終わった後も、サロメのイメージがしました。
スピーカーの目の前で踊り歌い狂う、みたいな。
(まぁ自分の思い描くサロメってのは、「生首欲しがる王女」とはちょっと違うから、誤解招きそうだけど......。)
こんなことご本人に知られたら、、「嬲り殺される」に、1000かき揚げ!
それにしても偶然知ったんですよね........。掲載されてたサンレコ買ってなかったら、たぶん知ることはなかったと思います。考えてみると不思議なものですね.........。
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