Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。
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吻合

sect.jpg 少女セクト / 玄鉄絢

 もうだいぶ前から気になっていたコミックです。

 その前に唐突ですが、そういう仕組みに成っているのかわかりませんが、アマゾンで商品を検索すると、検索結果にその商品と直接関連性はなくても同じ様な要素を含んでいる.....そういう商品が左メニュー辺りに表示されませんか?


 実は或る時、谷崎潤一郎の「卍(まんじ)」を検索した時に、左脇のメニューにそのコミックが表示されたのです。表紙イラストを一目で気に入ってしまい、買う気はありませんでしたがとりあえずカートの中に入れておきました。.......それからひと月ふた月....やっぱり気になってしまって.........。表紙を見てもだいたい分かると思いますが、百合もののxxxのコミックです。ちなみに「卍」も百合ものです。(実は読了しています。単なる百合物ではないことを後日改めて紹介したいと思います。) なので、まさか同じ「百合もの」という要素を含んでいるから、検索結果に合わせて表示されたのかな.......と思いいまして。結局のところ偶然なのかもしれませんが、なにせ相手は機械ですし偶然なんてものもあるのかどうかわかりませんが、せっかく表紙イラストが気に入っていたので、それだけでも見たいなと思うのでした。


 もう随分前からあれこれ書いていますが、自分が好きな絵というのは、たいてい仕草やポーズに特徴的なものがある場合が多くて、それはクラシックの絵画や商業イラストを問わず全般においてもです。話は少しそれますが、テレビの番組で、美人画として有名な竹久夢二の描く女はみなしぐさが素敵なのだとか言っていました。もちろん名前も知っていますし、絵も有名ですから少しは知っていました。ただポーズまでは関心がなかったので気付かなかったのですが、言われてみればなるほど確かにその通りです。それと共に番組では、.....なにやらカタカナの肩書き(女性を美しくみせるための言動を教えるような....そういうお仕事の人らしい)の女性がしぐさについて実演して説明していましたが........、手を口にあててクスっと笑うというしぐさ1つを例に挙げても、その手をぱっと開くか、ややすぼめてそっとあてるその違いで、受けるイメージはだいぶ違って見えてしまうのです。

 話を戻して、この表紙イラストで特に好きなのが、手を組み合わせているところ。たぶん個人的に好きなしぐさなのだと思います。離れることは決してないような、しっかりと組んだ2つの手。それとやっぱり伏し目がちの憂い目。衣服が乱れてしどけないさまもそこではちっともいやらしくなくて.............。


 そういうわけで、結局買ってしまいました。
でも、中身は..............。正直言っていまひとつでした。まあ表紙買いでしたので、それも仕方ないことなのですが。1、2巻で完結しているらしく、一応ストーリー仕立てになっているのですが、1話ごとに必ず絡みが入っているので、見方によってはそれが話の進行を妨げているようにも見えました。あと......キャラの区別がつきにくかったです。

 別にムッハー(;゚∀゚)=3 したくて買ったわけでもないからってのもあるのかもしれませんが、やっぱり自分には二次ではハアハアは無理みたいです。虹で手軽にハアハアできる人がちょっぴり羨ましいかも、なんてね。話のついでで書きますが、シスプリにしたってあれのどこをハアハアするのか全然理解できないし.......。絵が素敵だってことは間違いないのですが。だいたいしばらくの間、「萌え」の意味を取り違えていたくらいだし..........と言いつつも未だに勝手な解釈で使い続けているので、だいぶ誤解されているかも。


 話を戻すと........作品自体は悪くないと思います。それに百合ものもそれが悪いとも思いませんし別に抵抗はあんまりありません。もう一度書きますが、表紙イラストを初め、絵は素敵です。......好みっていったらそれで済んでしまいますが、偶然にも気になるレビューが投稿されていたので、それを引用させてもらえば、


「百合といっても恋愛の一種だから、その過程でヒドイ嫉妬もするしマジで人を憎むこともある(それは男同士でも同じだと思いますが)。そういう感情の振幅を無視して、ただ美しい女の子同士の戯れる絵を見たいだけなら極上の作品と言えるでしょう。単なるエロマンガでなく、独特の雰囲気を醸し出しているのは間違いなく作者の手腕によるものです。ただ、登場人物や小物の細かい設定はあるけれど、物語としては「ふたなりエロマンガ」と同様の虚構なので、ちょっと暗くてもいいから読み応えのある百合の物語を堪能したいという人には面白くもなんともないかも」 
(2006/7/26 レビュアー:オリハラルイさんのレビューより引用)


..........なんというか最初からこのレビューを紹介すればそれで済んだかもしれません。一瞬デジャヴさえ感じる程、抱いた感想が似ていました。 


 それで、これも後日改めて書きますが、先日、谷崎潤一郎の「卍」を読み終えました。上記の引用したレビューの様な感想をお持ちになった方には...........もしかしたら気に入ってもらえるのではないかと思います。若妻と令嬢が主人公ですが、その若妻の夫と、令嬢に言い寄る男の関係が複雑に絡んで、最後は意外な展開に...........。ポルノ小説ではないので性描写はほとんどありませんが、大阪弁の独白体で綴られる、妖しげな雰囲気が終始漂っています。あまり色眼鏡で見ないでほしい作品です。


 というわけで偶然だったかもしれませんが、アマゾンの策略によって、まんまと両方とも買ってしまいました。でも結局満足しているので良しとしますが。w 

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