年賀状のデザインで、背景オブジェクトの鉄骨を描くのに参考にしたものがあると書きましたが、それはポスターです。マーク・ディ・スヴェロという現代彫刻家の展覧会の告知ポスターです。1998年に広島市現代美術館で開かれたもののようです。......ポスターは持っていますが、展覧会は見ていません。どういうことかというと.............
もう2年くらい経つと思うのですが、群馬県立近代美術館が開館以来保存してきた告知ポスターを無料で配布する催しがありました。県立美術館としては早く出来た方らしく、1974年開館なのですが、本当にその当時からの、近代美術館で開かれた展示会のポスターをメインに各地の美術館で開かれた展覧会のポスターを無料で配布していました。1週間近く配布が行われていたようです。確か........その催しの前後にアスベスト問題が重なっていて、美術館の建物にも使われているということが分かり、休館が決まっていた....と思います。それのせいもあると思うのですが、とにかく美術館側としては大量のポスターをさばきたかったのだと思います。
近代美術館は、かの有名は磯崎新が設計したキュービックなデザインで有名なのですが、そろそろあちこちが老朽化しはじめていて、数年前から空調設備の故障で、1階の展示室は使っていない状態が続いていました。そのままの状態で例のアスベスト問題のせいで休館。........2年も休館することになっています。でも本当のところ、修復に出せるお金がないらしい.........です。(ちっとも工事が始まっていないとかどうとか噂が.....) 現在は仮展示場として、群馬県庁の昭和庁舎というレトロな庁舎内でほそぼそと展示をしている状態です。
話を戻すと............美術館に赴いたのは、配布が始まってから数日経った後だったので、絶対あったと思われるビアズリーのサロメとヨカナーンの向かい合っている真っ黒のポスターが手に入らなかったのは残念でしたが、人気がないのか、モローのポスターが何枚もあって、以前わざわざミュージアムショップで買ったのが悔しい気もしましたが、とにかくもらえるだけ貰ってきてしまいました。w
ゲットすることが出来た掘り出し物というと..........土田麦僊の「舞妓林泉図」。まさかこれのポスターを手に入れられるとは。ラッキーでした。あとは山口薫の「牛と少女」これは好きなのですが、どうも個人蔵らしくなかなかお目にかかれない絵のようです。あとはそうだなあ.....先述のモローの「聖セバスティアヌス」。このポスターは元の絵より大きくなっていてすごくお得(?) 近代美術館が所蔵しているもので、有名な同名の作品とは異なります。.......たぶん絵やポスターを見て狂喜乱舞するのはたぶん自分だけのような気がする......。
あとは..........どうもめぼしいのがなくて........なんか知らない画家とか現代美術とか多くて。配布初めの頃のほうがいいのがあったのかも。のちに聞いた話だと、初日にわざわざ県外からはるばる車でやってきて、ごっそり持って帰った人が数人いたとか。どうやらヤフオクで売るつもりだったようです。なんか気分悪くなる話。
うわ、また話がそれた。
それで、冒頭のマーク・ディ・スヴェロ。申し訳ないですが名前は知りませんでした。ただ、そのポスターに写っていたのが、焦げ茶色〜黒色の鉄骨同士を立て掛ける様にして組み上げた作品でした。名前も知らないアーティストのポスターでしたが、いつか役に立つ!! とピンときて即ゲット。
それが今年の年賀状に活かされるとは...........。機会があるならこまめに資料を収集した方が良さそうです。
そしてもう1つ。
文化学園服飾博物館の「西洋 服飾の流れ -女性の装い 1760〜1960-」 1997年に開かれた展示会の告知ポスター。そこに写っていたのが、ヴェルヴェットの生地の紫色とワイン色の組み合わせのドレス+ヘッドドレス。いつのものかは分かりませんが、少なくとも50年近く昔のものであることはタイトルからして確か。当時のヘッドドレス..........確かに人工的でないクラシックさ+レトロ感がありました。ドレスも重厚かつきらびやかなもので、見つけた途端、やっぱり即ゲット。 文化学園の創設者って誰だったっけ.......。日本の服飾デザインに貢献した人でしたよね。博物館は確か当時の作業アトリエだった気が。すごい数の服を保存してあるのは以前から耳にしていましたが........。
たぶんいつかのゴスロリを描く時に重宝しそうです。
その他いろいろ貰ってきてしまって、20枚くらいかな。その位の枚数は他の人もけっこう手に取っていたようですが。そんなわけで最近では告知ポスターがなかなか買えない中で、こうして無料で貰えたのですからとても有り難かったです。
(2007/1)
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