Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。

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テレビを付けてみたら、尺八と箏をフィーチャーした「Burn」が流れてました。BS-hiの「シブヤらいぶ館」
しかも..........歌ってるのが閣下でした。(←デーモン小暮閣下ね)

尺八があの主にギター(つまりリッチー)、箏の方がハモンド(ジョン・ロードね)っぽい振り分けぽかったけど、なぜかギターソロは箏がやってた。他にシンセ、ベース、ドラムもいたけど、ギターがないからなんかバランスが妙だったけど、新鮮でした。ちなみにその3つの楽器隊はみな聖飢魔Ⅱの元メンバーとサポートメンバーでした。相変わらず閣下はお変わりないようで安心しました。最近ではあちら(もちろん地獄)のほうでの任務がお忙しいのでしょうか。

 ともかく和洋折衷の内容だったらしく、パープルの他には武満徹の「ノベンバーステップス」。これはもともと尺八の入った現代音楽だったはず。これも聴きたかったなあ.........。


 「Buen」しか見られなかったのですが、朗読なども交えた内容だったらしく、その朗読は閣下がお読みになったらしいのですが、その本が、なんと谷崎潤一郎の「春琴抄」だったなんて..................。見られなかったのがとても悔しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
 「春琴抄」は今まで読んだ本の中でも特に好きな作品です。他に挙げるとしたら、谷崎「刺青」、鏡花「外科室」、ワイルド「サロメ」、一葉「闇桜」とかですが、春琴抄は、その登場する春琴のキャラが気に入っているので(なにせ超ツンデレだしw)。どんな感じの朗読だったかは分かりませんが、内容が内容だけにいい感じだったんじゃないかなと思うのですが.............。


 く〜〜〜〜〜〜〜、この番組、案外良い内容だったりするんだよなあ。ジャズとかボサとかフラメンコとかいろいろやってるんだよね......。先週も最後の最後しか見られなかったんだけど、長岡京室内アンサンブルとかいう弦楽器の集団で魑魅魍魎な音楽をやってたような。

まあ「Burn」が聴けただけ良しとしよう。あ、調べたら再放送がBS2で10月4日(水)後6:00〜6:43だ。録っておこう。

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akutagawa.jpg 奉教人の死/ 芥川龍之介

青空文庫:るしへる


 芥川龍之介は子供の頃から好きな作家のうちの一人で、新潮文庫から出ているものはほとんど持っています。もちろん全てが好きというわけでもないし、巻末の著書の紹介を見ても、キリシタンものといわれるこの「奉教人の死」も興味が持てず買わずじまいのままでした。また今までにある程度芥川の主立った作品は読んだつもりでしたので、好きな作家とは言ってももうこの辺りでいいかな....とも思っていました。

 なぜ「奉教人の死」を買ったかと言えば、タイトルの通りです。「るしへる」という作品がこの「奉教人の死」に収められていたからでした。「るしへる」は悪魔のことについて書かれている.....なんて紹介されたりしていますが、ルシフェルのことを知っていれば、この「るしへる」が「ルシフェル」だとピンとくるはずです。

 そもそもこの「るしへる」という作品があることを知ったのは、同じく芥川の作品「或阿呆の一生」内に出てくる文章が気になってネットで調べ物をしていた時に偶然見つけました。


「死にたがつていらつしやるのですつてね。」
「ええ。——いえ、死にたがつてゐるよりも生きることに飽(あ)きてゐるのです。」
 彼等はかう云ふ問答から一しよに死ぬことを約束した。
「プラトニツク・スウイサイドですね。」
「ダブル・プラトニツク・スウイサイド。」
 彼は彼自身の落ち着いてゐるのを不思議に思はずにはゐられなかつた。
(「或阿呆の一生」四十八 火あそび より 青空文庫から引用) (*新潮文庫の同作品は旧仮名から新仮名づかいに直してあります)

 この中の「プラトニツク・スウイサイド」「ダブル・プラトニツク・スウイサイド。」という言葉が引っかかっていまして、巻末の注釈には「精神的自殺」「精神的心中」としか書かれていなくて.......。それで調べ物をしていたら、たまたまヒットしたページ内に「るしへる」のレビューが載っていた....という次第です。


 これはサイトデザインとは直接的な影響を受けたわけではありませんが、「るしへる」に登場する悪魔は、ラストバイブルに登場する(特にラストバイブル1の)ルシフェルに近い思想があるように思えました。悪魔にも悪魔なりに葛藤していて、何と言うか.......巻末の解説を載せた方が分かり易そうなのでそちらを引用しますが、禅僧が悪魔(るしへる)に出会った時にその悪魔が述べた事をまとめると、-----------「あなたがたが善の崖っぷちにいて、悪の魅惑に吸い込まれそうになっているのに似て、悪魔である自分はいつも悪の崖っぷちにいて、善の魅惑に吸い込まれそうになっている、奴らは悪の一点張りだ、などと誤解しないでほしい」------------ということです。

 ラストバイブル1に登場するルシフェルとミカエルは共に魔獣の生存の方法を、前述に倣えば悪と善のそれぞれの方向で実行します。ルシフェルはそれによって最終的に主人公に倒されます。(つまりラスボス) しかし倒した後のルシフェルの「まじゅうをたのむ....」という台詞を吐くところや、もとから悪事を働いていたわけではないところから考えると、「るしへる」内のルシフェルもそうですが、ミルトンの「失楽園」に登場するルシフェルもまた同じルシフェル像のように思えます。


「されどわれら悪魔の族(やから)はその性(さが)悪なれど、善を忘れず。右の眼は『いんへるの』の無間(むげん)の暗を見るとも云えど、左の眼には今も猶、『はらいそ』の光を麗しと、常に天上を眺むるなり。
(はらいそ=ポルトガル語で天国の意味。たぶん英語のparadiseと同義だと思います。いんへるのもまたinfernoと同義語だと思います。)(「るしへる」より青空文庫から引用)


 とにかくこの「るしへる」に登場する悪魔は、いわゆるルシフェルそのものといって良いと思えます。地獄に堕ちたいきさつも、神に逆らい1/3の天使とともに堕ちた、ということが書かれていますし、風貌も、コウモリのような翼やかぎ爪など醜い姿はしておらず、肌黒ですが眉目は悪くなく、法衣に身を包み、首に金色の首飾りをしている.....と描かれています。禅僧との会話のやりとりの内容もいかにもなルシフェル像で、読んでいてなんとなく嬉しい気分になったりしました。.........さすが芥川。 

 ルシフェル好きの人はぜひ読む事をお勧めします。といっても話にオチがあるわけでもないし文庫では8ページしかない超短編です。ですが、冒頭に紹介した「青空文庫」にも載っていますが旧仮名づかいですし、ことあるごとにふりがながふってある上に、注釈が無いと分かりにくい言葉もキリシタンものゆえに多いので、出来れば新潮文庫の「奉教人の死」を買う事をお勧めします。収められている作品は、すべてキリシタンものの作品なので、本を通して統一感があります。タイトル作品は意外な結末で驚くと共に泣ける話ですし(ちょっと萌えるかもw)、「煙草と悪魔」「報恩記」はいつもの芥川のウイットに富んだ話ですし、「神神の頬笑」「おぎん」「おしの」などは、キリスト教の在り方に疑問を投げかける様な....興味深い話です。


 .........ちなみに....芥川龍之介の写真で珍しいのを見つけました。
http://uraaozora.jpn.org/akutagawa.html 
.........若い頃の写真でしょうか。てっきりB'zの稲葉かと思ってしまいました。芥川ってモテまくったとかいうし、結婚後もずいぶんと浮名を流していたらしいし。

Ryunosuke Akutagawa (1892-1927)
YouTubeにある芥川の動画です。有名な、麦わら帽子を被ってたばこをの火をくすぶらせる芥川を映したものです。これが撮影されてから数日後に自殺していたと言うらしいので、たぶんこれに映っている芥川はそうとうラリっている状態なのかも........。体を慣らす為に1週間近く前から睡眠薬を大量に飲み続けていたそうなので。その割にはすいすいと木登りしているところも見栄っ張りな芥川らしい気もします。

† 21:55 | トラックバック | Topへ▲ †

sect.jpg 少女セクト / 玄鉄絢

 もうだいぶ前から気になっていたコミックです。

 その前に唐突ですが、そういう仕組みに成っているのかわかりませんが、アマゾンで商品を検索すると、検索結果にその商品と直接関連性はなくても同じ様な要素を含んでいる.....そういう商品が左メニュー辺りに表示されませんか?


 実は或る時、谷崎潤一郎の「卍(まんじ)」を検索した時に、左脇のメニューにそのコミックが表示されたのです。表紙イラストを一目で気に入ってしまい、買う気はありませんでしたがとりあえずカートの中に入れておきました。.......それからひと月ふた月....やっぱり気になってしまって.........。表紙を見てもだいたい分かると思いますが、百合もののxxxのコミックです。ちなみに「卍」も百合ものです。(実は読了しています。単なる百合物ではないことを後日改めて紹介したいと思います。) なので、まさか同じ「百合もの」という要素を含んでいるから、検索結果に合わせて表示されたのかな.......と思いいまして。結局のところ偶然なのかもしれませんが、なにせ相手は機械ですし偶然なんてものもあるのかどうかわかりませんが、せっかく表紙イラストが気に入っていたので、それだけでも見たいなと思うのでした。


 もう随分前からあれこれ書いていますが、自分が好きな絵というのは、たいてい仕草やポーズに特徴的なものがある場合が多くて、それはクラシックの絵画や商業イラストを問わず全般においてもです。話は少しそれますが、テレビの番組で、美人画として有名な竹久夢二の描く女はみなしぐさが素敵なのだとか言っていました。もちろん名前も知っていますし、絵も有名ですから少しは知っていました。ただポーズまでは関心がなかったので気付かなかったのですが、言われてみればなるほど確かにその通りです。それと共に番組では、.....なにやらカタカナの肩書き(女性を美しくみせるための言動を教えるような....そういうお仕事の人らしい)の女性がしぐさについて実演して説明していましたが........、手を口にあててクスっと笑うというしぐさ1つを例に挙げても、その手をぱっと開くか、ややすぼめてそっとあてるその違いで、受けるイメージはだいぶ違って見えてしまうのです。

 話を戻して、この表紙イラストで特に好きなのが、手を組み合わせているところ。たぶん個人的に好きなしぐさなのだと思います。離れることは決してないような、しっかりと組んだ2つの手。それとやっぱり伏し目がちの憂い目。衣服が乱れてしどけないさまもそこではちっともいやらしくなくて.............。


 そういうわけで、結局買ってしまいました。
でも、中身は..............。正直言っていまひとつでした。まあ表紙買いでしたので、それも仕方ないことなのですが。1、2巻で完結しているらしく、一応ストーリー仕立てになっているのですが、1話ごとに必ず絡みが入っているので、見方によってはそれが話の進行を妨げているようにも見えました。あと......キャラの区別がつきにくかったです。

 別にムッハー(;゚∀゚)=3 したくて買ったわけでもないからってのもあるのかもしれませんが、やっぱり自分には二次ではハアハアは無理みたいです。虹で手軽にハアハアできる人がちょっぴり羨ましいかも、なんてね。話のついでで書きますが、シスプリにしたってあれのどこをハアハアするのか全然理解できないし.......。絵が素敵だってことは間違いないのですが。だいたいしばらくの間、「萌え」の意味を取り違えていたくらいだし..........と言いつつも未だに勝手な解釈で使い続けているので、だいぶ誤解されているかも。


 話を戻すと........作品自体は悪くないと思います。それに百合ものもそれが悪いとも思いませんし別に抵抗はあんまりありません。もう一度書きますが、表紙イラストを初め、絵は素敵です。......好みっていったらそれで済んでしまいますが、偶然にも気になるレビューが投稿されていたので、それを引用させてもらえば、


「百合といっても恋愛の一種だから、その過程でヒドイ嫉妬もするしマジで人を憎むこともある(それは男同士でも同じだと思いますが)。そういう感情の振幅を無視して、ただ美しい女の子同士の戯れる絵を見たいだけなら極上の作品と言えるでしょう。単なるエロマンガでなく、独特の雰囲気を醸し出しているのは間違いなく作者の手腕によるものです。ただ、登場人物や小物の細かい設定はあるけれど、物語としては「ふたなりエロマンガ」と同様の虚構なので、ちょっと暗くてもいいから読み応えのある百合の物語を堪能したいという人には面白くもなんともないかも」 
(2006/7/26 レビュアー:オリハラルイさんのレビューより引用)


..........なんというか最初からこのレビューを紹介すればそれで済んだかもしれません。一瞬デジャヴさえ感じる程、抱いた感想が似ていました。 


 それで、これも後日改めて書きますが、先日、谷崎潤一郎の「卍」を読み終えました。上記の引用したレビューの様な感想をお持ちになった方には...........もしかしたら気に入ってもらえるのではないかと思います。若妻と令嬢が主人公ですが、その若妻の夫と、令嬢に言い寄る男の関係が複雑に絡んで、最後は意外な展開に...........。ポルノ小説ではないので性描写はほとんどありませんが、大阪弁の独白体で綴られる、妖しげな雰囲気が終始漂っています。あまり色眼鏡で見ないでほしい作品です。


 というわけで偶然だったかもしれませんが、アマゾンの策略によって、まんまと両方とも買ってしまいました。でも結局満足しているので良しとしますが。w 

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大人のための怪奇掌篇/倉橋 由美子 (著)


 前回のレビューであえてせずに改めて紹介するのは、それほど気に入ったからです。
もちろん、あのリストの中では「春琴抄」も同じ位好きになった作品ですが、谷崎潤一郎は以前に紹介していますので敢えて分ける必要もないかと思いましてまとめてレビューしました。

  まず、倉橋由美子を知るきっかけとなったのは、以前にも紹介した2ch文学版内のスレッド「★★★★美しいと思った題名は★★★★ 【3】」内に「聖少女」というタイトルを見つけたからでした。「聖少女」......意味そのままの内容かもしくはエロのどちらかしかありえなさそうなタイトルですが、ともかく著者は誰なのか気になり、調べたところ、去年亡くなられたばかりの倉橋由美子という方でした。大学生の時に作家デビューし、芥川賞候補にも挙げられた人で、自分が知らないだけで名の通っている方の様でした。
 早速アマゾンで、入手可能の作品を探してみたのですが............驚く程少ないのです。なんだか過小評価されているのでしょうか。とても残念です。その中で気になった作品の紹介文で自分に合いそうだとピンときて、買ってみた、という次第です。

アマゾンの説明文は次の通りです。
「毒・棘・邪心・嘲笑・揶揄・嫉妬…。知的な恐怖と乾いた笑いの詰まった短篇それぞれが、見事な仕掛け、隙のない文章、堅牢なエスプリ、そして通奏低音としてのエロスに満ち、読む悦びを満喫させてくれる怪奇小説集。 」


 どうでしょうか?
わくわくさせる内容でしょう?

 早速届き、読み始めたのですが、とにかく面白く、読み易い。20話あって1話分がだいたい十数ページ。さくさく読めます。それでいて1話1話がバラエティに富んでおり、話のオチも上手くて、もう最高です。

 読んでいて感じた事は、文章の美しさと、比喩の仕方。
......よく、美しい文章を書く作家は誰かという問いによく挙げられるのが、谷崎潤一郎ですが、この倉橋由美子も美しい文章を書く作家だと思いました。文章の構築美があるように思えました。時おり難しい漢字が入っていても、不自然さも難解さもなく、とても芯の通った文章に見えました。また、読点の少なさも意外に見易く、後日買った「あたりまえのこと」に名文を書くのは天性によるもので努力して書けるものではない....などと書かれているのですが、倉橋ご本人もそのひとりなのではないかと思いますが。

 比喩の仕方.......とりわけ、神話や源氏物語からの引用を交えた比喩の仕方が印象に残りました。例えば、源氏物語に登場する、藤壷などを名前だけでも登場させる事によって、浮かべるイメージが変わるものなのですね。

 ヴァンパイア、イフリートなどの悪魔をベースにした話、「ヴァンピールの会」「イフリートの復習」、源氏物語を思わせる様な、代わる代わる違う男女が同衾する話「幽霊屋敷」、「性家族」とも書けそうな話ですが、そこにエスプリがきいていて単なる近親相姦ものに終わらないところがすごい「聖家族」、たけのこの様に生えていた男の生首を持ち帰り、栽培する女の話「アポロンの首」、やるせない結末が待っているロマンス、「瓶の中の恋人たち」........................。

  美しい旋律の様な話もあれば、滑稽で面白いもの、ぞーっとするほど怖いもの......とにかくおもしろい。「怪奇掌」とありますが、怪奇小説というわけではありません。話の次元は異なりますが、「世にも奇妙な物語」......ああいう要素があるような気がします。レビューにもありますが収録話の多くに「そして通奏低音としてのエロスに満ち」ています。全ての話がそうではありませんが、「大人のための」とタイトルにしたのにはその辺りに理由があるのかもしれません。.........しかしどれも展開が面白く、読んでいてこんなに嬉しい気分になったのは久しぶりです。


 本当に楽しめました。これならば誰にでも勧められる本です。(谷崎や夢野はちょっと.......なので)
ちなみに、アマゾンのレビューで変なことになっていますが、確かにこの本は、2006年に発売されましたが、1985年に発売されたものを再販している形のようです。当時の出版社から発売されたものは既に入手不可です。このことは、アマゾン内の倉橋由美子の作品を調べていけば分かりそうなものなのですが.........。なのでそれは気にせず、知らない方はぜひぜひ読んでほしいと思います。

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 これでひとまず読書の区切りがついた感じです。
自分でも良く分からないのですが、どことなく達成感というか「とりあえずここまで読んだぞ」というような、栞が付けられた感じです。
まだまだ自分に合う、好きになれそうな作品はあると思いますが、ひとまずここまで。もちろん本を読む事に飽きたというわけではありませんので、これからも読んでいくと思います。


今月買った本は以下のとおり。

大人のための怪奇掌篇/倉橋 由美子 (著)
吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1レ・ファニュ (著), 平井 呈一 (翻訳)
Pugin's Gothic Ornament: The Classic Sourcebook of Decorative Motifs
ライ麦畑でつかまえて/J.D.サリンジャー (著), 野崎 孝 (著)
いちご同盟/三田 誠広 (著)
放課後の音符(キイノート)/山田 詠美 (著)
ボッコちゃん/星 新一 (著)
あやかしの鼓—夢野久作怪奇幻想傑作選 /夢野 久作【著】
春琴抄/谷崎 潤一郎 (著)


 あぁ〜..........、こんな下書きを3月に書きっぱなしのままでした。
しかも全然区切りなんて付いてないし、今月(5月)もいろいろ買ったし........。でもある意味自分の好みの基礎となる様な部類の本をある程度読んだ事は確かかもしれません。いつかの終わりは今日の始まり。

 既にほとんど読了しているので、感想を書くのにちょっと苦労しますね。やっぱり読了すぐに感想は書くべきですね。とりあえず感想を書き出してからその後推敲するのが良さそうです。

 ということで、感想は後日。(その後日がいけないんだ......言ってる側から。) 追加の感想は、このエントリーを修正という形で追加します。なのでそんなに後じゃないはず........。


----------------------------------------------------------------------------

............なんてことを言っておきながら、いつのまにか7月も下旬........。
このいかれた雑記を楽しみにしている方がいるとは思えませんが、待たせてごめんなさい。

 早速、感想。
まず、「大人のための怪奇掌篇」は、別で改めて述べたい程、お気に入りの本になりました。なので後日。


 吸血鬼カーミラ
これは以前にもちらっと書きましたが、女性の吸血鬼です。有名なブラム・ストーカーのドラキュラよりも前に書かれたもので、買った創元推理文庫には、このカーミラの他に短編がいくつか収められています。カーミラ自体もそれほど長い話ではなく、百数十ページだったと思います。
 カーミラというと、百合ものだとか言われますが、読んだ限りでは別に取り立ててそんな風には思いませんでした。共に美少女でお嬢様なカーミラと被害者のローラが同じ寝室で寝泊まりするのですが、別にレズってるわけでもないし、単に喉元やみぞおち辺りをキス(吸血)するとか位。......でも、言われてみれば確かにそういう感じはあるかも。しかし、この作品はそれがメインではなくて、純粋にゴシック・ホラーの内容になっていて、ローラの元へ来るはずだった別のお嬢様がやはりカーミラ(しかし名前はミラーカという名をそっちでは名告っていた)に血を吸われ、そちらは原因を突き止める事が出来ないまま死んでしまいます。それで次のターゲットになったのが、ローラというわけです。
亡くなったお嬢様の父親と共に、ローラの父親が、同じ様な症状に陥っているローラの原因を突き止め、カーミラを封じ込めて話は終わりますが、ちょっとミステリーと言うか推理ものの要素も入っている気もしないでもないです。最後の方になって、すべてのつじつまがぴったりと噛み合い、楽しめました。 ドラキュラ程、話のスケールは大きくないし、田舎の山城で起こる怪談、という感じです。
 最近では、吸血鬼と言うと、萌えの対象になりつつあると言われますが、元祖吸血鬼のカーミラから既にそういう要素を含んでいた様ですね。若干ツンデレですし、美少女でお嬢様だし、おまけにちょっと百合もの..........。書かれたのが1872年ですが、ちっとも古さを感じさせないのが凄いです。 おすすめ。


 Pugin's Gothic Ornament: The Classic Sourcebook of Decorative Motifs
これは、タイトル通り、ゴシックの装飾モチーフ集です。雑記では今まで特に紹介してきませんでしたが、今までにもゴシックデザインの洋書をいくつか手にしています。やはり国内にはゴシックデザインの本はなくて、洋書に頼る他ありません。
とはいうものの、この本もそうなのですが、なかなか思う様なゴシックデザインが載っていません。というより自分が求めるものがそもそも異なっていて、どちらかというと飾り罫のようなものを求めているのですが、今まで手にしたものは、飾り罫というよりはオーナメントそのもので、サイトデザインなどの平面的なデザインに活かしにくいものが多く、またゴシックを知らない人が見てゴシックと気付いてもらえるかわからないモチーフが多くて..........買う度に損した気分になっています。
 同じ様にゴシックデザインを探している他の方にも、(嗜好が)合うかどうかわかりませんが、もしゴシックデザインのネタを探すならば、ゴシック建築.....とりわけ大聖堂の装飾を調べてみる事をお勧めします。ひとくちにゴシック建築といっても、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ.......など、フランスから派生していったものはやはりフランスゴシックとは装飾が異なりますし、時代によってもまた異なります。個人的にはフランスゴシックが一番好みですが、それぞれに良さがあると思います。


ライ麦畑でつかまえて
以下3つは、いわゆる「青春モノ」?........です。なぜか急に読みたくなって購入しましたが、なぜか読む気がしなくて、今回買った中でこれのみ未読です。時たまそう云う事があって、買う時は読んでみたいなと思っても、いざ読もうとすると..........う〜ん........という感じで本棚に戻してしまいたくなるんです。それでしばらく経った後にふと本棚に目を遣って、初めて読んでみる....という具合です。


「いちご同盟」と「放課後の音符(キイノート)」は、確か2ch文学版での、あなたが美しいと思ったタイトルは?.....とかなんとかのスレ内に書かれていたものだったと思います。そのスレを見て買った本、あるいは著者を知ったもの....いくつかあるので、何かと重宝しています。


 いちご同盟」
これは........ちょっと批判的な感想になってしまいます。
アマゾンのレビュー内に、読む歳が若ければまた異なる感想を抱くのではないか...というような記述があったのですが、そうなのかもしれないな....と自分でも感じました。
 「大人のための怪奇掌篇」の著者である倉橋由美子の著作に「あたりまえのこと」という小説論について書かれた本があります。それをこの本の読後に読んだのですが、 「いちご同盟」を読んだ時に感じたことと同じ事が、そう受け止められてしまう小説がこの世にはあると書かれていたので、そうなのかなあ....と少し不思議な気がしましたが、とにかくまず感想を書きます。

 この作品には、不治の病で余命少ない少女と、その同級生である野球部員の少年とピアノを習い将来音大へ進もうとしている少年が主な登場人物で、その野球少年と少女は幼なじみで良く知る間柄、ピアノ少年は最初ふたりとは面識はなく、少女へビデオレターを届けたいと言う野球少年の依頼で、しぶしぶ引き受けやがて少女が入院している病院へたびたびお見舞いの為に通う様になります。
 話の終わりにこの少女は亡くなります。その少し前辺りで、同じ同級生の少年がバイク事故で亡くなります。この少年は、野球部員の少年の友達(バッテリーを組んでいる)にいじめられて不登校になっていたのですが、ひょっこりバイクで校門近くでピアノ少年に出会った後、事故でなくなります。ほとんど登場しない人物です。ほとんど死ぬ役として、いのちの意味を教える為だけに、わざわざ引っ張り出されて死なされた様に、感じてしまいました。その話のもう少し前辺りから、それぞれ登場する人物が担う役みたいなものが薄々と感じられてきてしまって........。それぞれ確かに作品内の世界ではみな生きて頑張っている姿は描かれています。けれど、どうも空しく感じてしまうのです。少女の抱く想いも結局良く分からないままで、ピアノ少年に、「あたしと心中しない? 」「死ぬ程好き」だとか言っておきながら、野球少年と病室で密かにxxxしていたり(間が悪くピアノ少年は偶然目撃した)、結局死ぬ間際でも(もう声は出ないが)やっぱり好きだと言っている様に見えた....と書かれていたり、まあこの少年達も振り回されているのです。

 野球少年は、バッテリーを組んでいる不良少年(バイク事故で死んだ少年をいじめていた少年)と高校に行っても一緒にやりたいからと、成績が悪く進路先が決まらなかった不良少年を助けた様な形で、無事推薦を受け、希望の高校に内定します。ピアノ少年も、話の最初では、まだ演奏技術が足りなく進路先を悩んでいましたが、少女が亡くなったのを契機になんとかコツを掴めた感じで、登場人物の、ハッピーエンドとバッドエンドが恐ろしい程分かり易いのです。
 前述の倉橋由美子の「あたりまえのこと」に書かれているのですが、「操り人形の糸が見えるような具合に運命の女神、実は作者の手付きが見えるのは興醒めなのである。」...........まさにそう思ってしまったのがこの本でした。
 もちろんそう感じなければ良い作品に思えます。自分には合わなかっただけだと思いますが。


「放課後の音符(キイノート)」
その反面、この作品内に登場する少女達はみな生き生きとしていたように感じました。理由は良く分かりません。前述の操り人形の釣り糸が見えなかったからかもしれません。ただし男の自分が読むには問題があった気がします。まさか全部の話の主人公が女子高生だとは思っていなかったので.........。ということで、一応オムニバスのような集まりになっていますが、それぞれの話で登場する少女達には何らかのつながりがあったり、ある話では主人公でも別の話ではちょい役だったりしていたと思います。
 ちなみにこの本を知ったのは、前述の2chのスレッド内に「ひざまづいて足をお舐め」なんているタイトルが書かれていて、こんなタイトルにする人って誰なのかさすがに気になって調べたのがきっかけです。それで、多くの作品の中でこの本を選んだのは.......、私事になりますが、昔、「放課後のチャイムが鳴り止む前に」っていう曲を作った事があって、もしかしたら思い描いたものと似ている話が覗けるかも、と思ったからなのです。具体的な出来事は似ていませんでしたが、自分の抱く「放課後」のイメージは、そんなにかけ離れていないかも......とは思いました。
 それはともかく、良い作品でした。....まあ、女のコの秘密の日記をこそこそと読んでいる様な気分で、ちょっと恥ずかしかったですけど。


「ボッコちゃん」
 星新一の自選による50編のショートショート集です。ショートショートなので、作品ごとに具体的に感想を述べるのは難しいです。唸ってしまうオチがいくつもあり、また話のネタがとにかく自由奔放で、たしか1000以上も作品を残した人ですが、よくもそれほどアイデアが浮かぶものだと感心してしまいます。
 ただ、1つ際立っていた、というか妙にそれだけ他とは異質の雰囲気を持っていた作品がありました。「月の光」という作品なのですが、これは単にオチを読ませるものではないような気がします。ある老紳士がペットを飼っていて.......それは混血の少女なのですが、その老紳士はペットを育てるのにそれまで一度も言葉を交わさず、またえさをやるのも自分ひとりで誰一人近づけなかったのです。なんて書くと、今のご時世だと、すごく性的で歪められた欲望を充たす話のように思われるかもしれませんが、そういう雰囲気は全くありません。もっと抽象的で、あるものを表現することとして作られた話のような感じで、ガラス張りの天井、室内プール、きらめく夜空........そんな設定もあって、妙に幻想的なのです。
 老紳士が事故に遭い餌をやれなくなってしまい、召使いがいるのですが、召使いが餌を遣っても食べないし言葉も交わさす育てられてきたのですから当然言葉も通じません。老紳士は亡くなり、餌をやれる人間がいなくなり、その結果、ペットも死にます。

 ただそれだけの話です。他の作品に見られる様な、驚かされるオチがあるわけではありません。巻末の解説で筒井康隆が「彼の中にある理解と愛情の相関関係が図式的に示されてさえいる」、と書かれており、「(星新一が)どこまで完全に人間を理解しようと、絶対に人間に無関心になれないのは、本能的ともいえる人間への底知れぬ愛情のためであろう」とも書かれています。
 ただ面白いと思いながら読むばかりで、そういう著者の思いが詰め込まれているなんて思わず読み続けていました。


「あやかしの鼓」
相変わらず、夢野久作に嵌まっています。「世にも奇妙な物語」なんかが好きな人には、たぶんうってつけの作家だと思います。「怪奇幻想」という言葉がまさにぴったりの作風で、ぞくぞくさせます。しかし、その中にも独特の語り口調やユーモアさがたっぷりと含まれていて恐怖一辺倒ではない、実に素敵な作品ばかりです。
 「死後の恋」、「瓶詰地獄」、「いなか、の、じけん」、「あやかしの鼓」辺りを目当てで買いました。
Wikipediaの夢野久作の作品ページでも触れられていますが、意図的かそれとも単にミスなのか分かりませんが、話の内容に矛盾する箇所があったり、話のオチがざっと読んだだけでは分かりにくいものなどがあったりします。「瓶詰地獄」、「死後の恋」がそうなのですが、特に「瓶詰地獄」では、「ドグラマグラ」とは別の意味で思考回路がこんがらがってしまいます。
 「あやかしの鼓」をはじめ、「ドグラマグラ」、「押絵の奇蹟」など、脈々と受け継がれる因縁を背景にした作品も目立ちます。それらの話は、じわじわと因縁が紐解かれてゆく経緯が、なんだか怪談の百物語を聴いてゆくかの様で(おおげさなw)、意外に怖かったりします。


「春琴抄」
これもかなり好きになれた作品です。文庫本で70ページ程しかない短編ですが、じっくりと味わえました。というのも、この作品の書かれている文体が変わっていて、句読点がほtんどありません。しかも1つの文章が3、4行に渡るものが少なくなく、とても長い文章になっています。清水義範の「大人のための文章教室」に「読者に読むスピードを落とさせ、別世界の話をじっくりきくような気分にさせる効果を狙っているのだと思う」と書かれています。その例では「春琴抄」ではなく「細雪」でしたので、同様の効果を狙っているのかどうかはわかりませんが、確かに読み始めは面喰い読みにくかったのですが、慣れると意外にも読み易く苦ではありませんでした。
 話の内容は、盲目で三味線の名手であるお嬢、春琴と、彼女に仕える奉公人である佐助の愛と献身を描いたものです。春琴に悪意を持った弟子の利太郎から熱湯を顔に注がれ、酷い火傷によりかつての美貌が失われてしまい、それを見たくなく、かつての春琴の美貌を脳裏に焼き付けたいが為に佐助は自らの眼を針で突き刺し盲目となります。............自らの目を針で突つき盲目となるなどという行為は、他人から見れば狂気の沙汰としか思えないものです。ときたまネット上のレビューを見ると、それは春琴がサドで佐助がマゾだったから可能だった.....なんていうのを見受けましたが、それは冗談半分なのかもしれませんが、そういう風には思えませんでした。それほどまでに春琴を深く愛し、三味線の師匠として尊敬していた果ての行為なのだと、やはり思います。
 普段の春琴はわがままで勝気で、三味線のレッスンも凄まじく、演奏が「なっていなければ」、途端にぽかりと殴ったりするのは当たり前。暴言なんかは日常茶飯事。あまりのひどさに佐助はひいひいと泣いてしまうのもまた日常茶飯事なのでした。ところが、例の目を針で突つき盲目となった次第を佐助が春琴に話した際に、春琴は「佐助痛くはなかったか」「今の姿を外の人に見られてもお前だけには見られとうないそれをようこそ察してくれました」..と、普段そんな言葉をかける事の無い言葉をかけ、しまいには「『もう何も云やんな』と盲人の師弟相擁して泣いた」とその場面を締めくくっています。
 谷崎潤一郎の作品ってあまり泣ける様な話はないと思うのですが、この「春琴抄」にはおもわずうるっとなってしまいました。。。・゚・(ノД`)・゚・。 ウワーン

 そういえば、新潮文庫から出ている文豪ナビの谷崎本には、この春琴抄に対するコメントにどうしても賛同できないんです。完全に主人と奴隷のイメージにしてしまっていて、春琴のあらゆる世話が出来、それに絶えられるのも、奴隷だからマゾだから、だと書かれていて、それには絶句です。あの谷崎の文豪ナビの内容は、どうもそういう方向へ持っていきたがる内容なので嫌です。

 何かに弟子入りしたり先生についたりすれば、きつく怒られたり、殴られたりするのはけっこう当たり前の様な気がするのですが。確かにそれ自体は嫌ですが、親身になって教えてくれているのだと思いますし、一概にサドマゾの関係とは言い切れない気がします。床の世話もしたのも奴隷が故だとやはり書かれていますが、あれはいつしか二人がそういう仲になったが故の出来事だと思っているのですが........。春琴が佐助との結婚を望んでいるように察した周りがそれならばと勧めるとそれをつっぱねるくせに、いつのまにか佐助の子を身ごもり産んだりしますが(しかし産まれた子供は他へ貰われてしまうのでした。)、その後も相変わらずツンツンしっぱなし。悪夢の様なツンデレかも。w あんな奉公人など......なんて言ってる割には、自分から佐助を奉公人に選んだのだし、佐助の弾く三味線を聴いてみたいと言い出したのも春琴だったし。99%ツンツンで残りの1%デレデレって割合のツンデレな気がする。w

 ひょんなことから出会い、死ぬまで付き添い、自らも虐げられてゆく......そんな佐助の相手である春琴は、ファムファタルの要素を含んでいるかも。

 あぁ.....またこんなに長くなってしまいました。読む人.......いないな。

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 ついにアニメ始まりました。
といってももう2話目ですが。

 録画しっぱなしで実はまだ見ていません。アニメではコミックでのイメージと異なる場合が多々あるので、録画できてるかちらっと再生した時に、「何か違うな.....」と思ってしまうと、もう見る気が失せてしまう事があります。 スクールランブルはまさにそれで、録ったはいいがそのまま一度も見てなかったりします。今春からまたスクランのアニメが始まりましたが、見ていませんし録画もしてません。コミックも惰性で買っている様な状態です。

 アニメ以前にコミックでそれ以降買う気が失せてしまったものが多くて、何か良いものはないかと時々探っていますが、なかなか見つかりません。ずっと前に紹介しましたが、「ガンスリンガー・ガール」。あれは第1巻目のカバーイラストに惹かれて買ったのですが、どうもいまひとつでした。少し前に、「やさしいからだ」という3巻分で完結しているコミックがあって気になったので買ったのですが、やっぱりいまひとつでした。電撃とかイーブレイン関係のものはやっぱり自分には向いてなさそう。コミックのジャケ買いはリスクが大きいかも。最近はカバーイラストだけは妙に気合いが入っていて、おっ、と思わせられても中身を見たらクオリティが全然違ってた、とかそもそもカバーイラストと中身の雰囲気が違う.........みたいなのもあったりするので、難しい。


 そんな中、ホリックだけは当たり。大当たり。カバーイラストはもちろん、各扉絵のどれも素敵だしコマ割りの中の絵でも見とれてしまうものが少なくありません。仮にセリフを読まなくても楽しめそうな程です。まあ好みの要素が多く含まれているのが大きな理由だと思いますが。

 ゴシック、魔術、妖怪、アールヌーヴォー......別にミュシャっぽいとかそういうわけではないので、アールヌーヴォーかどうかはすごく個人的見解ですが、通じるところはあると思います。ああ、あとそれに登場人物の侑子さんがファムファタル.....。


TBSアニメーション「xxxHOLiC」公式HP
やっぱりアニメよりもコミックの方の画風が良いと思います。

Amazon.co.jp: 「xxxHOLiC 」シリーズ

 とにかくおすすめです。

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世界の中心で、愛をさけぶ

Deep Love


 感動の値打ちとレベルに高低なんてあるものなのでしょうか。

 上に挙げた2冊は読んだ事は無いのですが、前に話題になっていたので名前だけは知っています。でも.......評価は芳しくないようです。少なくとも2ちゃんの文学版では、駄作の代表作のような扱いで、これに感動した....なんていう書き込みはほぼネタ扱い。リンク先のアマゾンのレビューもかなり酷いことになっています。これほどレビュー数が多い割に評価が低いものを見た事がありません。

 こういう本は却って中身が知りたくなってしまいます。

でも..........そこで思う事があります。
上に挙げたものに直接結びつくものではないと思いますが、例えば、もし評価が低く稚拙だという本を読んで感動、あるいは良かったと思えてしまうことは、いけないことなのでしょうか。むずかしくて高尚な、あるいは評価が高い本を読んでこそ感動しなくてはいけないものなのでしょうか。もし仮に自分自身、上記の本を読んでいいなと思ったとしたら、それを恥じるべきなのか..........と思ってしまって。


 音楽で例えるなら、チャートの上位にランクインしている流行りの音楽を、けなすような風にも思えてしまいました。この表現だと誤解されそうなので詳しく書きますが........よく、洋楽やたくさんの音楽を聴いてきた人達の中に、そういう風に流行りの、特に最近はCDの売れ行きが低迷し、おざなりで姑息な(=一時しのぎ)売り方をしているとも指摘されたりしますが......そういうミュージシャンや音楽を軽蔑する人がいます。洋楽のリスナーにおけるJ-POPの扱いもまた同様に見受けられます。

 もちろん個人的な意見としては、そうは思いません。それに......もしミュージシャンの立場から見てクオリティが低いだの言われる音楽だったとしても、それを聴いて感動したり素敵だと思う人がいるならばそれで構わないと思いますし、充分役目は果たしていると思います。タレントが片手間にやっている音楽や、アイドルの音楽なんかも、同じ様に叩かれる事が多いのですが、それも同様に思います。


 そう認識しているので、冒頭に挙げた様に自問自答してしまいました。
尤も本と音楽では芸術の対象が違うでしょうし、事例をひっぱりだして照らし合わせる事は間違いかもしれませんが。

 話は変わって、久しぶりに2ちゃんの文学版に行っていくつもスレッドをブクマしたのですが、いろいろスレッドを見て今まで自分が読んでこのブログであれこれレビューしたことが恥ずかしくなってしまいました。というのは、「好きだと言っても恥ずかしくない作家10選」なんていうスレッドがあって見てみたのですが、逆に恥ずかしい作家として自分が好きな作家.....例えば夢野久作とか谷崎潤一郎、泉鏡花なんかがけっこう挙がっていたので.......そうなのかなあ.....と、少しへこんでしまいました。作風が作風なので夢野や谷崎辺りは何となく分かります。また、教科書に載っていそうな作家....芥川、漱石、太宰あたりもほぼ論外。

 そもそもこのお題では、作品の良し悪しではなくて、公言して恥ずかしくないかどうかの判断ですので、谷崎の作品なんかは人によってはただの官能小説として受け取られる場合もあるので、そういう意味において恥ずかしい作家としてリストアップされていたのかもしれませんし、芥川、漱石、太宰あたりは誰でも知っている作家であるがゆえに好きだと公言するのが恥ずかしいということなのだと思いますが。

............うぅ、なんだか論点がずれてきちゃった........。

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 時々、今までに書いた雑記を読み返したりするのですが、文章の不備に気付き推敲することがよくあります。もっとも、こうして書いている最中にも推敲はしているのですが、どういうわけか見落としがあるのです。

 かれこれ2、3年雑記を書き続けていますが、以前と比べれば少なからず文章を書く事に慣れたし、人に読んでもらうことを意識して書く様にもなりました。でも、相変わらず文章の書き方や構成が上手くいかなくて悩んでいます。何か小説などを書くわけではありません。ただ、日記等を書くだけなのに、えらく苦労している自分が情けないのです。読書感想文を書く子供じゃあるまいし、ろくに文章が書けないと言うのが恥ずかしく思います。

 今までこのブログにも、敬語が使えないだのボキャ貧だの、字が下手だのと、自分の国語力(?)の無さを告白していますが、文章力も乏しいのです。乏しいといっても小説家やエッセイストなどのプロの文章と比べたのではなくて、ごく普通にネット上にありふれた、他人の書いたブログと比べてのことなのです。

 他人のブログを見るといつもそう思い羨ましくなります。読んでいて面白いと思うし、文章も読み易い。それらと比べて自分の文章と来たら......読みにくいしつまらないし、へこみます。たまたま年末の大掃除で、中学の頃の文集とか見つけて読んだのですが、今と大して変わっていなくてますます落ち込みました。w (笑えないんだけど.....) 


 よく.....、本を読むと語彙も増えるし、文章力なども身に付く....と言われたりしますね。それにあやかりたくて本を読んでいるのも少なからずあったりします。でも........果して役に立っているのかどうかわかりません。たぶん読んでいる作品が新しいものでも昭和初期までのがほとんどで、例えば言葉や文体が古かったりするので、実用的でないのかもしれません。


 うまい文章でなくてもよいので、伝わり易く読み易い文章が書きたいです。

そんなわけで、もう半年程前に買った本があります。
大人のための文章教室 講談社現代新書/清水 義範 (著)

こんなに良い本を手に取りながら、相変わらずな文章しか書けないのがくやしい...........。

† 02:05 | トラックバック | Topへ▲ †

 以前、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の感想の際に読んでみたい....と書きましたが、その後も気になっていて色々調べていました。その結果、やっぱり満足できそうな内容であることと、現在在庫切れのところが多く入手困難なことであることが分かり、ネットをさらに検索して、現在ネットで新品を入手できるのは紀伊国屋書店だけでした。しかもネット上の紀伊国屋ではなくて各地にある紀伊国屋の店舗の在庫のみ、という状況でした。

 そんなわけで、たまたま紀元/戦記とも在庫があった札幌店へ注文し(もちろんネットから)、代引きで送ってもらいました。

 そこまで探して買うべき本かと訊かれれば、間違いなく自分にとっては買うべき本だったと思います。まだ読み始めていませんが、入手した情報では...............、

 ヘルシングは破れ、ドラキュラ伯爵はイギリスを征服、伯爵は帝位に就いた、美少女吸血鬼「ジェヌヴィエーヴ」が登場する、次々と吸血鬼となる国民、創作/史実の人物が多数登場、新たな事件が起こってゆく、まさしくゴシックホラーな内容である事............などなど。

 まあ伯爵万歳な自分にとっては........ストーカーの本家を超えるバイブルになるかも.........。ただ唯一残念なのはやっぱり肝心の伯爵があまり登場しないとか...........。


 ともかく読後の感想は後日改めて書きます。

現在は福岡天神店の在庫のみのようです。ちなみに紀元/戦記ともに在庫あり。崩御はどこも在庫無し。
ドラキュラ紀元/戦記/崩御

 重版してほしいな.........。

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 どうもこのところ、本が読みたくてあれこれ買い込んでは読みふけっています。

ここ最近買ったものは........

潤一郎訳源氏物語 (巻1) /紫式部 (著), 谷崎 潤一郎
痴人の愛 /谷崎 潤一郎
眠れる美女/川端 康成
ふらんす物語/永井 荷風
風立ちぬ・美しい村/堀 辰雄
倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他5篇/夏目 漱石
こころ/夏目 漱石
人間腸詰—夢野久作怪奇幻想傑作選/夢野 久作
ノックの音が/星 新一

.........という顔ぶれ。
ほとんどは著名なものばかりなので、............何を今更と言いたい方もおられるでしょうが、そこはご勘弁を。

 こうして見るとやっぱり人の好みが表れていますね。「こころ」は昔学校で読んだ事あるので話自体はうろ覚えで少しは知っていますが、以前書きましたが、夏目漱石の作品はまともに読んだ事がないし、日本人なら読んでおくのが常識..とまではいかないにしてもたしなみとして読んでおくべきかな....と思い、「倫敦塔〜」は西洋の香りが漂う、少しファンタジーっぽい内容っぽそうだったので買ってみました。「眠れる美女」なんて、自分の思い描く創作話に似てる部分がある感じでびっくり.......。ま、自分の場合は氷漬けだけど。夢野久作のは、とにかく「怪奇幻想」という言葉がぴったり当てはまる内容で、出版が角川ホラー文庫からなのも頷けます。星新一といえばショートショート。オチが読めない展開がとても新鮮で、それでいて話が短いのでさくさく読んでいけるところが楽しくて好きです。


 そういえば、新潮社から出ている本で、著者と著作などをぱぱっと解説したガイド本が出ていて、
文豪ナビ 谷崎潤一郎
文豪ナビ 芥川龍之介
を買ってみました。

 芥川龍之介の方のキャッチコピーは「カリスマシェフは、短編料理でショーブする」、という具合で、なるほど、という感じです。一方、谷崎潤一郎はというと.........「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師」って見出し。

 ..............。w
 いやiいや、的確な表現だと思います。実は「痴人の愛」は既に読了しているのですが、確かにそういう雰囲気/内容があるのは窺えます。でも自分には妖しい心は呼び起こせないようです。考えられる理由が思いつくのですがそれはまた後日。

 全部で7つ(つまり7人)出ている様で、他の作家のはどんなコピーになっているか見てみたら、川端康成のもストレート過ぎる見出しで思わず笑ってしまいましたが...........、
「ノーベル賞なのにィ こんなにエロティック?」
確かにそう言われればそうなんだけど.....。
あとちょこっとロリの傾倒もあるような気がする.......。

 また後で感想書きます。

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