Diary of a Madman

癲狂院に置かれた或る一冊のノートブック
狂気の記憶が焼き付いた、深淵なる倒錯の記録の数々。

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 新潮文庫の100冊の中に「春琴抄」が選ばれました。..........ただしそれは去年のはなし。去年の今頃にそれをネタにしようと思っていたのですが色々あって今頃になってしまいました。


 新潮文庫で谷崎潤一郎の作品が選ばれるとしたら、過去20年くらいの間ほとんどが「痴人の愛」で「春琴抄」が選ばれたのは2回くらいだったような。.........自分が谷崎の作品が好きなので贔屓する分もあるのですがそれでもこの扱いは酷いと思ってしまいます。

「彼女に踏みにじられたい、そんな欲望が君の心の奥底にもひそんでいるはずだ!」(2009年新潮文庫の100冊における「痴人の愛」のキャッチコピー)
「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師」(新潮文庫 「文豪ナビ 谷崎潤一郎」)

...............すっかりそういう扱いをされているのにあきれてしまいます。確かに谷崎作品にはマゾヒズムの内容もあることは確かですが、「単に」それだけではないでしょう?  私的な意見を言わせてもらえば、マゾとかどうとかではなく、ファムファタルな女が登場し、男の主人公がファムファタルにどう対峙するかどうかの話で、その結果多くの場合、マゾな態度になるだけのはなし.......という気がします。ファムファタルに出くわしたが最後、男は骸になる他ないのです。ギュスターヴ・モローの小説版という感じといっても差し支えないとも思えます。つまり、ファムファタルの絵を描かせるなら右に出るものがいないモローなら、ファムファタルの話を書かせるなら右に出るものがいない、それが谷崎潤一郎なのだと個人的には思います。

 
 加えて「細雪」や「陰影礼賛」のように、日本の美を書き上げたものもあることを強調したいのです。精緻な文章で綴ってゆく日本の美、これらは「細雪」だけに限らず他の多くの作品にも背景としてよく溶け込んでいます。また、「日本の美」という範疇に「(日本)女性の美」「官能美」というものも含まれているということが、谷崎の作品の表紙絵も手掛けた加山又造の、日本画による女性のヌードの屏風絵.......あれに通じるものがあるようにも思えます。

 
 単にマゾヒズムだけの話だとしよう、それならポルノ小説じゃないか、そういう扱いをしている様にしか思えない、新潮文庫の売り込みが嫌いです。

 それと......噂レベルのネタですが、新潮文庫が「春琴抄」を選びたくないのは、本の値段が安いからだとか。.........それなら「細雪」にすればいいのに。(新潮文庫の「細雪」は上中下巻の構成になっています) というか「刺青」「春琴抄」「細雪」はもれなく100冊リストに入れてもらいたいです。

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 なかなか好きになれるコミックに出会えないことは、以前の記事で書きましたが、それでも機会があれば本屋のコミックコーナーで物色したりもします。..........ただし近年はアマゾンのせいですっかり「実店舗」の本屋へ行くことが少なくなってしまいました。以下に紹介するコミック4作品は、去年末....大晦日辺り、年越しそばを食べて高崎駅ビル内の書店へ立ち寄った際に見つけたものです。年越しそばはどうでもいい話題ですね。(w ただ、それだけ昔だということが言いたいだけなのと、家へ帰ってアマゾンでチェックするまでのあいだ、コミック名をしっかり覚えておくことに心がけたくらい気になっているものでした。


Amazon.co.jp: イルゲネス‾黒耀の軌跡 1 (1) (BLADE COMICS): 桑原 水菜, 石据 カチル: 本

Amazon.co.jp: モノクロームファクター 2 BLADE COMICS: 空廼 カイリ: 本

Amazon.co.jp: ハートの国のアリス1 (BLADE COMICS): ほしの総明, QuinRose: 本

Amazon.co.jp: オリンポス (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス): あき: 本


 ちなみに4作品とも隣り合わせで平積みされていました。.........って3作品が同じ出版なんですね。当たり前か。どれも封がしてあったので中身は確認できず。全て表紙カバーで気になった作品です。以下気になった理由をコメントしておきます。

 上2作品は、クラシカル、ゴシックっぽい雰囲気が感じられたこと。「イルゲネス」は表紙からBL系だったらどうしよう....なんて思いましたが、そういう作品ではないようですね。どことなく大英帝国でも栄華を誇ったヴィクトリア期のようにさえ感じるブリティッシュな感じ。「モノクローム〜」は、タイトルからしてゴシックポップな雰囲気。
「ハートの国のアリス」は、ポップなイラストが気に入りました。たぶん「不思議の国のアリス」をもじっているのだと思うのですが、それゆえに内容も気になるところです。「オリンポス」はとにもかくにも官能的なイラストが気に入りました。


..........それでそこまで話題にするなら「当然買ったんだよな、おい?」と鋭く突っ込まれそうですが、実は買っていません。躊躇しているんです。買ってみてビニルカバーを破いてさあ読むぞ!と意気込んでみたものの、数ページで、買ったことを後悔する結末............、これはいやです。このがっくり感。まあCDでも同じ様な経験も少なくありませんが、コミックの場合1巻で終われば良いのですがたいていはそうではないので、中途半端に本棚にあるのが何とも...........。そういうのはさっさと売ってしまえば良いのでしょうか、やっぱり。


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Amazon.co.jp: まりあ・ほりっく 1 (MFコミックス アライブシリーズ): 遠藤 海成: 本

 これはアマゾンでいろいろ本をチェックしていたら偶然見つけた作品。見つけたのはだいぶ前です。以前「黒執事」を話題にしたことがありますが、あれと同時期だと思います。表紙イラストを見て、いかにも「萌え系」なので、購入したくて気になったというよりは、萌えイラストとして参考になるかという意味で気になったという感じです。その後、アニメ化されたことを知って、自分の着眼点もまずまずかなと自惚れたり。w しかし内容が微妙すぎます。女装ものだとか。(゚∀゚;)エェェェ

 
 以上紹介したものはイラスト先行による気になった作品ですが、内容を知って気になった作品もあります。
最近知ったコミックなのですが、「BLACK CAT 」と「ロザリオとバンパイア」という作品。「BLACK CAT 」のほうは、作者の奥さんと動画サイトで人気になっているらしい素人のミュージシャン(?)との不倫騒動を知ったのがきっかけ。「ロザリオ〜」のほうは今日知りました。中川翔子のブログ更新記録の話題を2chスレで見かけて少し眺めていたら、上記作品の名前を見つけた次第です。どちらもその後、Wikipedia(BLACK CAT - Wikipedia ロザリオとバンパイア - Wikipedia)で調べてみたところ、内容が気になったということなのです。
 「ロザリオ〜」のほうはタイトル通りヴァンパイアものだし、ヴァンパイア+学園ものという王道っぽい内容で人気がでるのも頷ける......と思いながら公式サイトを見てみたところ、作風を見て、自分には買えないと悟りました。ちょっと無理だなあ........ああいう感じは。
 「BLACK CAT 」は、内容を見て、サイバーパンク+ダークな西洋風という気がして気になりました。なんとなく映画「ブレードランナー」とかを連想してしまいました。作品内にルシフェル、オリハルコン、ヘイムダール、ジークフリートなどの西洋の神話の登場人物の名前が登場しているところが、そそられます。サイバーパンクというジャンルは結構好きなジャンルです。


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 ここで個人的な話題になりますが、サイトのリニューアルも含めて、自分の好きなスタイルというのが、ゴシック+サイバーパンクなのではないかと気づきました。言い換えると「近未来におけるゴシック」。例えば、ブレードランナーなどのサイバーパンクの情景に、ゴシック建築.........漆黒の鉄筋鉄骨のフライングバットレスがあたかも巨大な骸骨のあばら骨のような...........そんな伽藍とした大聖堂で天使と悪魔の殺戮が繰り広げられる.....................そういう感じ。古い建築物と近未来の風貌が合う分けないだろ、と昔は思ったものですが、そんなことはないと今は思えます。ゴシックとサイバーパンクには共通点があると確信しています。


 というわけで、もしかしたら今回紹介した作品を購入するかもしれません。

† 01:10 | コメント (2) | トラックバック | Topへ▲ †

 まず訂正です。下書きを済ませたのは去年の初めでしたが、去年一年間も読みませんでしたので結果に二年間ということになります。

 というわけで、近年マンガを読まなくなってしまいました。話がそれだけならばわざわざ取り上げる必要もありません。実は前々からマンガに対して思う事があり、それが結果としてマンガを読まなくなっていった理由になっているのではないかと考えました。

 
 まず、絵柄とストーリーの両方を楽しめない場合が多い、ということ。
絵は好みなのにストーリーが馴染めない、あるいは絵はそれほど好きでもないけどストーリーは好み、という具合。近年買うマンガはほとんどジャケ買いならぬ表紙買いなので、前者の傾向が圧倒的に多いです。これが残念なんです。他にも読み始めはストーリーが気に入っていたけど、途中から好みの方向からずれていったとか、自分本位な勝手な理由ではありますが、残念に思います。

 そして、台詞などの文章に違和感を感じる、ということ。
端的に言えば文章力。いくら台詞といえどあまりにも語彙が少なすぎる場合や、逆に難語をどこからか引っ張りだしてきたかのような借用の文章など。、気になります。「ら抜き言葉」なども気になりますが、まあ時代とともに文法も変わってゆくからそれも仕方ないところはあると思います。見れる、寝れる、食べれる、来れる、着れる、辺りは仕方ないとしても、例えば.....開けれる、止めれる、抜けれる等、強引すぎるのは勘弁してほしいです。個人的には前者の類いも文章ではNGです。読んでいて気になってしまうんです............。

 さらに、内容もさることながら「キャラ萌え」の傾向に付いてゆけない、ということ。
小説にしても近年のラノベでは、ストーリーよりもキャラを如何に描くか萌えられるか、という傾向があるように思えます。前にも書きましたが、「萌え」という要素がひとつの分野になり、それによる市場が出来る様になると、やはり商業としてはそういう要素を売りにしていくことは当然の成り行きだと思うので、これも仕方の無い事なのかもしれません。しかし登場人物の特徴などのデータが尋常無く事細かに出てくるのが鬱陶しいんです。ページ欄外や巻末にそうした詳細がずらーっと載っていたりするのがちょっと。ストーリー内で読者にそれとなく知らせる方が自然で好きです。というかある程度はばっさりと端折ってほしいです。ストーリーがしっかりしていればそれほど問題ないはず。


 今までに読んだマンガを例にすると、「東京大学物語」の台詞(文章)は問題なく読めました。文章がしっかりしているしその点に置いては非常に好感でした。ただ物語の展開が自分の好みではなく結末も少し裏切られた気持ちになりました。そこが残念でした。「名探偵コナン」も台詞の文章で気になるということはありませんでしたし、展開も長丁場だけでそれさえなければ良い印象です。「3×3EYES」はら抜き言葉がちょこっとあったのが気になったくらいで特に違和感はありませんでした。以上の3作品は少し昔の作品ですし作者の年齢なども関係あるのかもしれません。その点、「スクラン」と「ホリック」は................。具体的な理由は割愛しますが、自分には受け入れがたい感じなのです。作品自体は悪くなく良い作品だと思うのですが。
 

 ..............なんとなく察しがつくかもしれませんが、そもそもの遠因は小説を読む様になったからなのだと思います。小説の方が面白くて夢中になって結果としてマンガを読まなくなった、というのではありません。小説とマンガのそれぞれの文章の違いが明白で、あまり言いたくはないのですがマンガの文章の方が見劣りしてしまうんです。また小説ならば話の内容さえ良ければ登場人物の雰囲気も好き勝手に好みの想像で補えます。

 マンガは絵と台詞の両方で見て読むものですし、そもそも分野も違いますから小説と比べるのはお門違いなのは分かっています。でも.......あまりにも気になってしまうしそれのせいで面白みを感じなくなってしまうのも事実なんです。マンガは嫌いではありません。好きになれる作品に出会えないんです。面白い作品に出会えれば、自然と手に取り読むはずですから。

† 22:18 | トラックバック | Topへ▲ †

 ちょっと記事のカテゴリ分けに悩む話題です。

 
 唐突ですが「けいおん!」というアニメ/コミックをご存知ですか。何でも女子高生がバンドをやる4コママンガが元で最近深夜帯でアニメを放映しているのだとか。アニメは元から全然見ないですしマンガを読むのもかなりご無沙汰です。なにより最近はテレビもあんまり見ていないので、「けいおん」なんて言葉を見たり聞いても何がなんだかさっぱり分かりませんでした。


 「けいおん」という言葉を知る様になったのは2chの楽器板のスレッド内の書き込みでした。なんでもレスポールタイプのギターでチェリーサンバースト色のが至る所で売れているというのです。軽くWikipediaで調べてみたところ、登場人物のひとりがギブソンのチェリーサンバーストのレスポールを使用しているという設定になっているようです。
 レスポールのオリジナルはギブソンですが、とても高価なギターです。と同時に大変ポピュラーなギターでもあります。他社メーカーから数えきれない程のコピーモデルが昔から発売されています。

 チェックしているスレッドが安ギターの話題のスレでしたので、本家ギブソンのレスポールまで売れまくっているのかどうかは分かりませんが、少なくとも廉価なチェリーサンバーストのレスポールは売れているようです。サウンドハウスのブランド「プレイテック」のレスポールや、低価格ギターの代名詞「フォトジェニック」のギブソンタイプのブランド「メイソン」のそれ、やはり低価格ギターブランドで有名な「ブリッツ」のそれ.......ネット上の楽器屋、サウンドハウスとサクラ楽器をチェックしてみたところ、不思議なくらいレスポールのチェリーサンバーストだけ品切れになっています。(BLP-450 CS|レスポールタイプ 【BLITZ by ARIA・ブリッツ バイ アリア】 リンク先はブリッツのメーカー元のオンラインショップ。次回入荷が7月になってます。)

 レスポール以外にもやはり登場人物が使用しているフェンダーのジャズベース(3トーンサンバースト)の類似ベースがやはり売れているようです。中にはメーカー元のサイトの説明にも登場する影響ぶり。(LJB-X 3TS) 詳しくは分かりませんが、ジャズベースは作品内ではピックガードがべっ甲柄だとか。(上記製品は白色) 注意書きされるくらいですから問い合わせも殺到したのかもしれませんね。
 

 有名ギタリストに憧れて同じギターを手にするのは分かるのですが、アニメやコミックに登場する人物が使用しているという理由で手にする、というのには驚きました。といって別に軽蔑するつもりはありません。中にはそれがきっかけでギターを始めてみようと思い立った人もいるでしょうし、楽器市場も潤うはずですから、悪いことはとくにないはず。

 ただ、それほどまでに影響を及ぼすことにびっくりしました。アニメもコミックも同作品をチェックしていないので、それほど楽器が手にしたくなる様な魅力があるのかどうかは自分には分かりません。


 タイトルの「というよりは.....」に続く文章は、(凄いのは)いわゆるオタクの人達ではないか、ということです。この話題に関連性のありそうな話題を少し前に下書きし、まだ未公開ながら重複してしまいますが、オタクの人達の行動力には感心してしまいます。好きになったらすぐに嵌ってとことん深く嵌れる。よくオタクのネガティブな面だけを取り上げては叩く傾向がありますが、個人的にはそんな面だけだとは思えないのです。(オタクではない人でも夢中になれるものを持つ人はいるとは思いますが)やはり何かに夢中になれたり嵌って浸れる人は羨ましいし幸せそうにみえます。

 
 
 というわけで、「けいおん」には、水玉模様やらサークル模様、エディストライプ柄なんかのギターの登場を願うことにします。w
 

† 01:57 | トラックバック | Topへ▲ †

 *3年前に下書きしてあった記事です。古い話でごめんなさい。
 
 
3_3eyes.jpg ふとしたことから、3×3EYESを読み返していました。既に完結していることもあって本棚にしまったまま、思えば最終巻の40巻を買って以降、読み返したことがありませんでした。(連載中はよく読み返していましたが)

 今回は3×3EYESをメインに所有しているコミックのレビューをまとめてみました。案の定、長くなってしまいましたがどうかご勘弁を。


 3×3EYES......一応ご存じない方のために軽く説明しておきます。まずタイトルは「サザンアイズ」と読みます。.(算数の九九からですよね.....?たぶん。海外でも翻訳されて発売されているらしいですが果してどんな読み方になっているのやら....気になりますね。) ジャンルは冒険伝奇マンガ、という感じなのかな。三つ眼の三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)と呼ばれる妖怪(とはいっても見た目は人間そのもの)によって、ひょんなことから、とある高校生が不死身の僕(しもべ)(「无(うー)と呼ばれる)として、端折って言うと元の人間になるために最後は魔王的な存在の鬼眼王(かいやんわん)を倒す.....というストーリー。

 その主人公の一人である三只眼吽迦羅の名前は「パールバティー」(以下、単に三只眼と呼びます)。とある事からこの三只眼はもう一つの人格を持っていて、そっちの名前はパイと呼ばれています。第三の眼が開く覚醒時が三只眼で閉じている非覚醒時がパイ、という感じです。性格も正反対で、三只眼は....たぶんツンデレ(しかも悪夢のようなツンデレw)、パイは....いわゆる天然系。ちなみに三只眼の无となった高校生の名は藤井八雲。ふだんはおっとりした感じで糸のように細い糸目が特徴。w

ってこれだけではちっとも分かりませんね。
詳しくはこちらでどうぞ。3×3 EYES - Wikipedia
 
 

 それで冒頭の通り最近読み返してみたのですが、買って良かったなと改めて気付かされたのでした。思えば所有しているコミックの中で、たぶん一番読み返しているし一番のお気に入りだと思います。自分にとって一番好きになれるコミックなのだと気付かされた、という表現の方が適切かもしれません。


 理由を挙げるとすると長くなってしまいますが、まず三只眼のキャラの良さ。見た目も凛とした雰囲気で好きです。もう一人の主人公の八雲も、戦う時は言葉荒げな感じになりますが普段は言葉遣いが丁寧なのが.......思えば意外です。周りの人間に年上が多いっていうのもありますが、優しそうで性格が良さげなのが、個人的に◎。

 あとは.....その三只眼と八雲の関係。少女(といっても実際は300歳超えてるけど。w)の三只眼と青年の八雲、主の三只眼と僕(しもべ)の八雲。何となく三只眼にファムファタル(宿命の女)のような気がして..............。三只眼が生きている限りは、瀕死の重傷を負おうが体が粉々になろうがまず死ぬことはない无ですが、逆に三只眼が死ねば无も死んでしまうのです。ストーリーが進むににつれてそれまでいまひとつ頼りなかった八雲も次第に強くなっていくのですが、どことなく結果的に三只眼が八雲に対して「男を上げた」様に思えるのです。八雲が強くなってきた辺りから、三只眼の八雲に対する接し方も軟化してきて、最後には相思相愛の間柄になってゆきます。.....なので、そういうのっていいな、って。

 最後の最後で訳あって、涙目になりながらも言い放つシーンに思わずつд`)ウウッ。その前の37、38巻の最後の別れの前のラブラブな場面も(*゚ー゚)bイイ 。三只眼....何気に大胆。(*ノωノ)   読み初めの頃は、三只眼ってヤなヤツだと思ってていましたが......今ではパイよりも好感。男にはああいう「上げてくれる」女が必要だと思ってしまいます。 少なくとも自分には。w   

 ああ、そうそう....この三只眼、自分のことを儂(わし)と言うんですよ。儂なんていう(見た目は)女のコは初めて見たよ。w 「〜じゃ」なんていう口振りだし。最初は違和感あったけどすっかり慣れてしまいました。つーか虜かも。 (ぉぃw とにかく今でいうツンデレなのは間違いありません。ツンデレスキーの方は是非っっ!!!


 巻末の作者のあとがきで、情が移り出てくる敵をほとんど倒せなかった(殺せなかったという意味なんでしょう)と書かれているのですが、案外それが自分には良かったのかも、と思っています。死にそうな所で助かったり助けたり....実際にはそんなに甘くはないのでしょうが、でもそこが良くて! ............これは邪推ですが、自分の「こうなってほしい」と思う気持ちが、作者の心理に似ているのかもしれません。本当....三只眼、パイ、八雲の他にも登場した多くが好きになれたキャラばかりでした。

 世界観が中盤あたりまでは、舞台が東京、香港、東南アジア、チベット、と東洋的な雰囲気がありました。実際、登場するキャラ名もインドのヒンドゥー教の神々にまつわる名前になっています。パールバティーはもちろん、シヴァ(これが物語では鬼眼王)、ガネーシャ、カーリー、ベナレス、ウシャス、ラートリー.......等々。中盤以降は、スケールアップして異次元の世界や、騒動を世界レベルにして採取的には宇宙的な思想のような展開にまでなりました。買い続けていた時は、その東洋的な世界観から世界レベルになった時は違和感を感じましたが、読み続けていくうちにとても自然な摂理のように思えました。


 15年も連載が続いたせいか画風が変化しているのですが、個人的な好みはやっぱり後期。キャラの性格も若干変化しているのですが、それもやっぱり後半の方が好き。書き慣れたせいかどのコマでも安定しているし、女キャラに関してはどことなくポップな感じになった気がします。そうそう......最終巻の冒頭(第433話)の扉絵のパイが...........後述の「東京大学物語」の2巻辺りの水野遥にどことなく似ている気がしました。シチュエーションも偶然にもどことなく似てる....かも。海岸で村上直樹と涙と鼻水を流しながら嬉し泣きしている感じが.........。

 話はそれますが、大好きなラストバイブルに出てくるシヴァのグラフィックが、この3×3EYESのシヴァにそっくりです。ラストバイブル3に出てくる、スクルドとかもラートリーとかに似ている...というか3×3EYESのラートリーやウシャス自体が、「ああっ女神さまっ」に出てくるベルダンディーに似てるわけだけど。

 
 
 「東京大学物語」.........序盤の5巻辺りまでの、ほのぼのとした学園マンガっぽい感じが好きでした。「甘い」と言われるかもしれませんが、自分にはその甘い雰囲気で続いてもらっても構わなかったんです。話が進むに連れて変わってしまいました。主人公の村上直樹は、成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗....の非の打ち所の無いように思えますが、実は小心者でプライドが人一倍高く、自分のことだけしか考えない我がままなタイプで、どんどんその性格が露呈していきます。その嫌な自分自身を見つめ直し、長く巡り回って、ようやく水野遥と結ばれてハッピーエンド.....で終わるところが..........ネタバレになりますが、夢オチならぬ「妄想オチ」という形で終わっています。

 前にも同じ様なレビューをしたと思うのですが、要するにそういう性格を持ち合わせた村上直樹という人間を、現代社会における人間像の中の1つの集合体として具体化したものであって、その問題提起と解決策をマンガの中で表現したのだと....自分ではそう解釈しています。そういう意味ではちょうど村上直樹と同じ年齢で読んだことはとても良かったと思っています。村上直樹の性格にあてはまるものが自分にも少なからずあったし、振り返れば、大袈裟ですが村上直樹と一緒に成長したしようなものでした。w だからその点については感謝しています。でも........ちょっとエッチ過ぎたね。w いや....青少年向けにしてはかなり....って感じか。よくまあ成人向けにならなかったものです。もう中盤以降はしょっちゅうxxxだもの。まあその気持ちは良く分かるけど、大学物語なんてタイトルのくせに、大学に通ってる気配がない!w  

 
 作画に関しては、やっぱり初期の頃が良かったです。もちろん全巻通して精緻な作画になってはいるのですが、キャラの雰囲気が自分には合わなくなってしまって。なんというか.....純真な、イノセンスな雰囲気を出そうとしていそうなキャラでさえも、目つきがどことなくふしだらに思えてしまって。

 加えて作者本人に対してもあまり好感が持てなくなってしまったし。昔は「この人すごいっ!」なんて思っていたけど..........今でもそう思って入るけど、尊敬の念は........抱けそうにないです。最近はテレビ等にもよく出ているそうだけど、ちょっと.....痛い気がする。前はあんな物腰の人じゃなかったような気がするけど...........。

 ウィキペディア(江川達也 - Wikipedia)に載っているのを見てみると....「源氏物語」や日露戦争のアレとかヤブーとかみんな打ち切りになっていたなんて........。しかも最近の作画が酷い...とか。なんだよ〜〜〜「源氏物語」なんてライフワークにするとかどうとか言ってなかったっけ??? ...........マンガを描くことに飽きてしまったのかな......。思うに、あの人の場合、マンガは自分の主張したい意見の伝達役でしかないように思えます。分からないけど、読者を楽しませようとかいうよりもそれが優先されているような気がします。

 あの人には豊富な知識を活かしたものがやはり似合うのでしょうね。しばらく前に「萌える英単語=萌え単」とかいう本が出ていましたが、ああいうのを江川流で出してみたら良いものが出来そうな気がします。萌え単ならぬ濡れ単だね。w  「Slippery When Wet」とかのタイトルにして。....まあこれはボンジョヴィの3rdアルバム名だけれど、「濡れるとすべるぜ」.....意味を「受験を滑る」とかけてるわけ。我ながらなかなか。w 

 
 
 「xxxHOLiC」は、とにかく世界観と絵柄が気に入っています。最新刊の10巻のカバーイラストも素敵です。
............でも正直言うと.........、キャラの人間性に関してはあまり好みではありません。結局どのマンガでも、他の創作物でもそうなのだと思いますが、とりわけマンガに関して言えば登場人物の言動に作者の言動が少なからず表れてしまうものです。この先の話がどう展開するかわかりませんが、少なくとも現時点では好きになれません。以前テレビに作者達が出演してたのを見ましたが、やっぱり..........という感じでしたし。例えばこれの画集が出るとするなら、それを買ってしまえばマンガは買わなくなるかもしれません。ファンの方には申し訳ないですが、本当、今のところそんな感想です。 ちなみに.......前に、登場人物の侑子さんがファムファタルっぽいなんて書きましたが、よくよく考えてみるとちょっと違うかも。確かに他の人物へ関与しているけど、関わり方が一方的.....。3×3EYESの三只眼と八雲のような1つの大きな運命の下において互いに関り合う様には思えないので。どっちかっていうと魔性の女って感じだし。窮地に追い込まれたり、失敗をしでかすことも未だに一度もないんじゃない!?  そういうキャラには魅力を感じないしつまらない。

 
 「スクールランブル」は........今のところかなり微妙。これも以下に載せた3巻のカバーイラスト目当てで買ったようなものなのですが、カバーと中身の作画の差がありすぎてがっくりしたし、好きになれそうなキャラはいなそうだし.........なんとなく惰性で買っている様なものです。そういえばウィキペディアで作者を調べたのですが、うぅ....自分より1つ年上なのね。おまけに長身でイケメンだとか。才能もあって羨ましい。なんか同じ名字なのに正反対だぞ。w

 
 「コナン」は........やっぱり長く続き過ぎです。これ以上長く延ばせば延ばす程、いい終わり方をしないとすごく叩かれる気がします。アニメの方は、もうずっと前から見ていませんが、OPとEDの曲は共にビーイング系のアーティストで埋め尽くされているしほとんど宣伝みたいなものです。そうなり始めた頃から嫌気がさすようになりました。マンガ自体はよいと思うんです。キャラの感じや設定など、ポップでストーリーの展開も小気味よい感じ...........でした。 嫌なら買うなよ!なんて突っ込まれそうですが、50巻以上も既に買ってしまっているのでここまで買い続けてきたならば、やっぱり最後まで見届けたい気持ちもやはりあるので.........。う〜ん....。


 
 そんなわけで、3×3EYESが一番のお気に入りです。完結後、新しい作品が出ていないな......と思っていたら、いろいろ出ているんですね。読んでみようかな。あと、3×3EYSの39巻と最終巻の40巻は同時発売だったのですが、さらに「3×3EYES FINAL」なる特別本も発売されていたんですね。ちっとも知りませんでした。何でも作者ご本人のインタビューや制作秘話などが満載らしくて........でも限定本だったのか、ネットのいたるところで在庫無しになってる..............。今思えば、グッズとかも買える時に買っておけば良かったです。よく単行本に宣伝が入っていたのですが、あんまり興味がわかなかったんですよね、その時は。

 三只眼と八雲のフィギュアとかないのかなあ。あったら買うっ!!!
完結してしまいましたが、おすすめです。


conan.jpgtokyo.jpgschool-rumble.jpgxxxholic.jpg

 
(2006/11/15)

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加山又造展 | 2009年1月21日(水)~3月2日(月) 国立新美術館

 
 どうしても見たいと思っていた展示会、加山又造展。
見終えた直後の感想は、「見応えたっぷりの内容だった」でした。以前、東京国立近代美術館で琳派展や加山又造 + 所蔵作品展で、加山又造の絵を知って「わりと好みの画家」ではあったのですが、今回の展示会を見て、お気に入りの画家のひとりになりました。

 美術や絵画の専門的な知識はない素人ですが、個人的に或は「このブログ的」にお勧めの展示会です。琳派が好きな人ならもちろん、琳派も含めて日本画とか古くさいしあんまり.....なんて言う人にもお勧めです。今回は久しぶりに弟も一緒でした。デザイン関係は好きみたいだけど絵画は別に、という感じなのに、今回のは割とウケた様子でした。日本画とか古くさいし....なんて言う、ずばりそんな弟でしたので。でも見るまでは散々なことを言ってたなあ。「どうせ会場はじーさんとかばーさんばっかりなんだろ?」とか失礼な事を色々。たしかに日本画だからその傾向はあります。でもそれって若い人に日本画の偏見があるのだと思います。たとえば大和絵、雪舟などの水墨画などはともかく、近代でも伝統を受け継いだ横山大観、或は西洋のエッセンスを取り入れた東山魁夷でも、たしかにそう思われるふしもあるかもしれません。(個人的にはそうは思わないが) 

 しかし琳派、とりわけ加山又造の作品は、かなりデザイン的な絵画だと思います。特に加山又造のは、琳派をさらにモダンに押し進めたコンテンポラリーな琳派だと思います。そのことは公式サイト内に紹介されている作品からも窺えると思います。

 サイトには紹介されていませんが、七夕や天の川を題材にした作品などは印象的でした。たしかにそれまでの琳派のスタイルではあるのですが、画面構成やその題材が斬新でとても驚きました。幻想的で宇宙的というか....ある意味SF的というか、非日常的な空間が描かれている日本画、という感じ。表現という意味では水墨画も頭に思い浮かべるものとは違い、見る作品ひとつひとつに驚かされました。金屏風に黒い牡丹が描かれた「牡丹」は金と黒の強烈なコントラストの中に妖しく輝くようでしたし、「華と猫」は日本画には従来出てこなかった様な長毛種であるペルシャ猫が描かれた和む作品.......。また描かれる動物などが特に顕著だったと思うのですが、輪郭が美しい。狼、キリン、ゾウ、鳥、そして竜.....何と言うか輪郭だけは写実的というか各々の動物の躍動感を表しつつも美しさと併せ持たせる様な線を描くと言うか.........。


 もうひとつは何と言っても裸婦画です。レースを纏った裸婦画の一連のシリーズのひとつを以前見ているので、その素晴らしさは一応分かっているのですが、今回は四曲一隻の屏風など、非常に大きいサイズのものがいくつも展示されていて、その美しさとともに魔的な雰囲気が漂っていました。(....と思いたい) 前に見たのは屏風ではなくコンパクトなサイズに黒薔薇と白薔薇の模様のレースをそれぞれ纏った裸婦の絵が対になって飾られていたものでした。が、今回は屏風絵。裸婦画の屏風絵なんて斬新すぎます。しかも薔薇のレース模様だなんて。これらの絵は裸婦がレースを纏っているだけでなく残りの背景にもレース模様が敷き詰められています。黒薔薇の方は見やすいですが、白薔薇の方は光を照らす様に見ないと見えませんでした.......。(あんまりまじまじと見ていたら変態とか思われるしなあぁ.....。) この作品だけは個人的にはゴシック調と吹聴したいです。背景に鏤められた華麗なレース模様に流麗な輪郭による裸身との組み合わせが単なる裸婦画ではないもっと普遍的な美を表しているかのように思えます。


 ここで4年前と同じ様に再び引き合いに出してしまうのですが(Diary of a Madman: 谷崎潤一郎 [+] 癲 狂 院)、やはり文豪・谷崎潤一郎と重なる点があるように思えてしまいます。 谷崎は初期の作品では西洋のモダンさを取り入れたりしたものの、後期では「細雪」「春琴抄」に代表される様な日本の美を精緻な文章によって描いています。丸谷才一の解説に確か、谷崎は日本の美を回顧したのではなく美を追求し行き着くところが日本の美だった......と書かれていました。加山又造もまた画家人生の中でたどり着く先が日本の美だったのではないかと思うのです。例えばそれが前述のレースを纏った裸婦画だったり.......。谷崎の「陰影礼賛」でも西洋と日本のそれぞれ女性の美を比較した話が載っていましたっけ。
 そういうわけで新潮文庫の谷崎潤一郎の表紙カバーが加山又造によるものなのはうなずけます。
関係ないですが猫好きで猫を飼っていたっていうのもありますね。w

 
 それと公式サイトで初めて知った装飾品!!! 中でもアームレットはクリティカルヒット! 腕輪ですよ腕輪!!!  加山又造展 | みどころ(第章 生活の中に生きる「美」) 他にも装飾品では花びらのネックレスなども展示してありました。焼き物の器、きものなどもあり、琳派の画家と似たところがありますね。今回の展示作品を見ていると、本当に限界のない自由な美の世界があり、それを満喫出来たことが嬉しく思うとともに、それらがすべてひとりの人間によるものだと思うと、加山又造の素晴らしさ、凄さをまじまじと感じるのでした。


 これは余談ですが、ふたつめの休憩室に飾られていた(映されていた)絵、付随して書かれていた解説文を見てこれにもびっくりさせられました。マッキントッシュにアドビのフォトショップとA3サイズのペンタブによって描かれた小作品。日付が1998だったので、まだ機能的には加山自身には満足出来なかったようですが、今だったらどうだったかなあ....。1998年というとインテュオスも初代が出たばかり?だったような気がするし、ソフト的にもフォトショップはアナログ絵画的な表現は難しかっただろうし、その当時のペインターも.......。ネット上の自分の作品に対する感想などを見て楽しんでいたり、これからのCGなどのデジタルによる絵画の在り方に興味を持っていたようですし、そう思うともっと長生きしてもらいたかったと思わずにはいられません。


 いつものようにカタログを購入しましたが、今回はDVDとのセットのものにしました。DVDセットというのは初めてお目にかかりましたが、これはとても良いと思います。展示内容、カタログと内容がリンクしていて加山又造本人の映像や家族によるコメントなどDVDならではのコンテンツで、これからの展示会ではカタログにDVDが付録するのが定番になりそうな予感がしました。


 というわけで、個人的には既に今年一番の展示会となりそうです。見て良かったーーーーー!!!

† 21:45 | トラックバック | Topへ▲ †

 たま〜にサイトをチェックしたりしているのですが、結構欲しくなってしまった機種が出ていました。

PW-AT770|生活総合タイプ|電子辞書 パピルス:シャープ

 
 何といっても液晶バックライト付き、というのがポイントです。私事ですが、よく寝る前にベッドで電子辞書を使うことがあります。電気を消してスタンドの明かりで見ていたりするので、バックライト無しだとちょっと見づらい。その点バックライト付きは暗くても大丈夫だし。おまけにさらに液晶のドットが細かくなって情報量が増えたとかでこれも嬉しい。手書きパッドは少し前の機種から付いていますが、これも良いですね。持っている電子辞書はちょうど手書きパッドの機能がつく前のでした。本などで難字に出会う度に調べたりするのですが結構面倒くさい。部首引き、訓音読み、総画などから調べられるのですが、部首引きで見つけられないとかたまにあります。総画でも調べられますが、たまにハズレることもあったり。w  あとは最近はしていないですが脳ドリルの際に漢字の書き取りとかはパッド無しでは出来ませんでしたが、これならできるのでありがたいかも。.......漢字を書かないのでけっこう忘れているんです。小学生の漢字ドリルが出来ない様な気も........なきにしもあらず。

 シャープの生活総合タイプの電子辞書は2つの方向性があるようで、1つは上記の様なモノクロの液晶+コンテンツ豊富なタイプ、もうひとつはコンテンツは少なめだけどカラー液晶でワンセグや電子書籍も見られるタイプ。

 PW-TC930|生活総合タイプ|電子辞書 パピルス:シャープ

 正直言って、これらを組み合わせた機種が欲しいな。
ワンセグはともかくカラー液晶で豊富な写真や画像が見られるのは、製本媒体の辞書や今までのモノクロ液晶による電子辞書では出来なかったことですし。加えてこの機種に収録されている国語辞典の「大辞林」がすごい。類語機能が付いてる!!!  一部の見出し語のみらしいですがぜひ網羅してもらいたい!!! おまけに音声図鑑とは.........。いい時代になったものですね。

 電子書籍が読めるっていうのは前々から欲しかった機能です。青空文庫に収められているものも自分でファイルを落としてカードに保存すれば見られるのだとかネットで目にしたことがあります。

 ちなみにこの液晶パネルってASVだから目が疲れにくそうだし...............、うぅ、欲しいなあ。
 でも2年前に買ったばかりだしなあ............。持ってる電子辞書、同じシャープの「PW-A8410」ですが、使い倒したおかげですっかり単語帳がいっぱいになっています。(各辞書ごとに200語までしか登録できないから) 日々日常、助かっています。

 
(2008/02/22)
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 ..............と思っていたら、いつのまにかシャープは新しい電子辞書のシリーズを発売していました。

電子辞書 Brain(ブレーン):シャープ

 こういうのを待ってたんです!!!!!
ダウンロードしてコンテンツを増やせる機能! 電子書籍も読めるし! 細かいところでは3色マーカーが付けられたり、収録している国語辞典を相変わらず三省堂の「大辞林」にしているところ!!!! 個人的にこの辞書がとても気にいっているので、とても嬉しいです。広辞苑のどこが良いのかさっぱり分からない自分は異端ですね、きっと。電子辞書ならではのカラー液晶で辞典の挿絵はもちろん、音資料まで収録しているところはさすが。

 欲しい欲しい!!

.......でもダウンロードするのに必要なパソコンがWinオンリーなのはいただけません。Macも対応してください。(インテルMacオンリーもだめです。w) あと、液晶パネルも目に最も優しいといわれていたASV液晶じゃなくなってしまったようなのも残念です。

今後のモデルに要注目です!

(2008/11/05)

† 23:50 | トラックバック | Topへ▲ †

聖少女 / 倉橋由美子

うわ〜〜〜い!!!
復刊だーーーっ!!!

 倉橋由美子の作品は、たくさんあるはずなのにどれも在庫切れで、新刊で手に入れられるのはわずかです。新刊で手に入るものは全て買ってしまいましたが、いまひとつ代表作を読んだという感じがしませんでした。デビュー作の「パルタイ」は幸い新刊で出ていますが、話の内容が少し古く学生運動というものを扱っていることもあって、少し自分には掴みにくい内容でした。もちろん、作者が持つスタイルは十分に感じられましたし、「買って良かった」と思える作品でした。でも、手に入れた作品の多くが、抽象的というよりは幻想的で、SFというと誤解されそうですがどこか空想的な内容を併せ持った感じで、それを構築された精緻な文章で綴られてゆくような、後期の、晩年に近い作品ばかりでしたから、「パルタイ」は少し違和感を感じていました。


 そこで「聖少女」。
初めて倉橋由美子の名前を知ったきっかけの作品です。前にブログで書きましたが、2chの文学版で「美しいと思った題名は」というスレッドに挙げられていました。
 タイトルからxxxxな内容ですが、作品紹介を見ても間違いなくxxxなのでしょう。判型違いの古い紹介文の方では拙いと思ったのか、幾分オブラートに包んで今風の文章に変えているような気がしますが.....................、
それならもっと早く、「援交」(の言葉も含め)が流行ってた時にその見出しで売れば、「パパ」の意味は異なりますが意外に話題になったんじゃないかと思うのですが.................。(でもそういう売れ方は本人は嫌いかもしれませんね。)

 でも、桜庭一樹とかいう人の見出しはいらないかも。若い作家や話題性のある作家による感想が巻末に載っていると、読後にそれを読むとげんなりしてしまいます。何というか.....売名行為の様に思えてしまうし、何より作家だからといって作品を評価するプロとは限らないからです。数ある文学賞.....例えば「芥川賞の受賞作品!!!」......みたいなのには興味が湧きません。なぜならそういう人達による選考だから。倉橋由美子自身が「あたりまえのこと」でも書いていました。それに誰も書いていないものを書こうとするあまり、変態的なのが多すぎて、それも好きになれない理由でもあります。文章にしたって、句読点は多いし日本語の奥ゆかしさが感じ取れないし、がっくりしてしまいます。そんななか、倉橋由美子の作品は、現代的でもありながら構築された文章がとても読み応えがあって、一文一文味わいながら読んでいける.....というのは少し大げさかもしれませんが、少なくとも自分には合っています。


 こんなに素敵な作品をたくさん残しているのに、ほとんどが在庫切れというのは本当に残念です。最近の芥川賞受賞作品なんかを見てると、今の時代の流れというのはああいうルックスが良い若い女性が描く日常を逸脱した世界.......なのかもしれないと思うと、過去を遡れば先人たちの残した作品にもたくさんあるのになあ........とさみしくも思いますが、逆にそれこそが誰にも知られない秘密を手に出来るのだ、とにんまりしてしまうのも事実ではあります。

 話によると来月も倉橋由美子の作品の復刊があるとか耳にしたのですが、これが本当ならば万々歳だーーーーー!!!


 ともかく内容が内容だけに公言しにくいですが、注文しよーっと。

 もし人に倉橋由美子の作品を勧めるとしたら......「よもつひらさか往還」(文庫版)かな。「大人のための怪奇掌編」もおすすめです。
今ちょっとアマゾンのページを見てみましたが「よもつ〜」のレビューのどれひとつも頷ける。本当にそうなのです。ぜひ手に取って欲しいです。


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売れているのかそれともあまり売れないからと元々あまり刷らなかったのか、もう在庫切れです。アマゾンでも3~5週間待ちになってしまいました。まだ発売されて2週間くらいしか経っていないのに.........。はやく増刷してくださいっ!!!!

† 23:28 | トラックバック | Topへ▲ †

 前回の続きです。


..........前々から思っていたのですが、ウィキペディアの「春琴抄」の解説はやっぱり解せません。両目を針で突き刺し自ら盲目となったのは「つまり佐助(谷崎)は、自らのマゾヒスティックな趣向を満たしてくれる女性を必要としているだけであって、献身自体が目的であるわけではないのである。」とはやっぱり思えないのです。「春琴が年を経るうちに軟化してきたことに対し佐助が拒絶を示している」とも思えません。もしもマゾで嬲りものにしてほしいと思うのならば、春琴を煽り煽って怒らせた方が手っ取り早いはず。

 しかも、いくら谷崎の自叙伝的な作品「異端者の悲しみ」で己のマゾヒズムの欲望を叶えてくれる情婦を探し求め歩いたとはいえ、佐助が谷崎自身とは思えません。...........よく、谷崎自身がマゾだということが周知の事実であるからと、作品全般において単にマゾな作品だと決めつけるのは短絡的な気がします。


 自虐の上での愛情.......そういうふうに思うんです。たとえば運命の女神に翻弄されても.......つまり宿命の女=ファムファタルだったとしても、自らが破滅の運命を辿ることになっても、それに気づいていたとしても、宿命の女と対峙するには、それしか方法がないのだと...........個人的にはそう思っています。それこそが宿命の女の愛情に応えられる唯一の方法でもあると......思います。虐げられ嬲りものにされるのが目的なのではなく、それが手段なのだと。

 たとえば、「宿命」の女に身を滅ぼされるかといっても心中するわけでもありません。仮に同時に死ぬことになっても宿命の女は男の為に死ぬとは到底思えないからです。(......でもまあ死後の世界あるいは転生後でも、女は魔界の王女になるか亡霊かになって未来永劫、やはり転生した男にしがみついている、とかはありえそうですが。)男は自らの死をもって己の願いと欲望を応え、女はそれを愛情と受け止めるのだと思うのです。愛する運命の女神の御胸にその骸を委ねることで願いは叶うのです。..............怪談「牡丹灯籠」では、幾度の前世から宿命づけられていた男女が、女は亡霊となって生身の男へ通いそして男は骸に成り果てる........ただし登場する男はそのランデヴーを拒否していましたが。w 

 悪女と宿命の女はそこが違うと思います。悪女はおそらく永遠に虐げるままかもしれませんが、宿命の女には男の破滅の代わりにきっと褒美を与えるはずです。(とはいえ女は男が破滅するとは思っていないかもしれませんが。) 勝手に男が死んだだけ.....と思うのは悪女なだけで、宿命の女は宿世に定められた運命が流れる血を身体で感じ、差し出された骸を愛しく思っているはずです。ワイルドの「サロメ」などがその例ですね。


 話はそれますが、刺青も同じように思う時があります。
苦痛に耐え、(消すつもりがなければ)一生を背負う刺青を身体に彫り込むのです。あれをマゾだという人はいないでしょうが、「結果的に」自虐的な欲望であることには変わりはありません。同じく谷崎の作品「刺青」は、それに加えて宿命的なものを感じます。刺青師が女に見せた絵の通りに女は刺青を入れることによって覚醒します。多くの男の骸の上に立つ魔性の女に。故に観念的である作品だから、あの作品は大好きなんです。単に「刺青」の言葉を引用するだけの作品とはそこが違うのです。

† 23:14 | トラックバック | Topへ▲ †

 最近ウィキペディアで谷崎潤一郎の「春琴抄」の項目を見たら..............、
「また作中で春琴は、美しく、非常に気高い女性として描かれており、常に佐助に対して高圧的に臨んでいる。しかし顔面の負傷後は佐助に対して自らの容姿を恥じるなど弱い面も見せており、その様子は所謂「ツンデレ」の原型とも言える。---------(ウィキペディア「春琴抄」より」

 やっぱりツンデレなのか。以前、ブログで悪夢の様なツンデレ....なんて春琴を表現しましたが、なかなか分析は当たっていたようです。ちょっと嬉しいかも。

 でも..........春琴がツンデレというなら..........個人的には樋口一葉の「たけくらべ」に登場する「美登利」もツンデレな気がします。むしろこっちのほうがより分かり易いツンデレのスタイルな気がします。あらすじはウィキペディア「たけくらべ」を参照してもらうことにして、人前では強い口調で罵倒するのに、気にかかる僧侶の息子である信如には、ばったり道で出くわした際に声がかけられずもじもじしているし.........デレのデレデレ感はあんまりないかもしれませんが。

 あぁーー、ツンデレ要素以外だったら、春琴、美登利に続いて、夢野久作「ドグラ・マグラ」に登場する、「呉モヨ子」も萌えるかも。モヨ子は......天然系.....じゃなかった、ピュアな電波系でしたね。w 話の中じゃあ精神病院の鉄格子部屋にいるし。夢野久作には元祖「妹萌え」の要素を含んだ作品が多いとか密かに(w囁かれますが(「瓶詰地獄」とか)、それなら泉鏡花はなんとなく「姉萌え」要素を含んでいるのがちらほらあるような気がしないでもないです(「竜潭譚」)。


 文学以外だったら.........マンガで言えば、3×3EYESの三只眼(さんじやん)、スクランの沢近.........、あ!そうだ、文学でもキム・ニューマン「ドラキュラ紀元」に登場するヴァンパイアジェンヌ「ジュヌヴエーヴ」もツンデレだし、三只眼は萌える。設定が三只眼と似てるところがあって、見た目は16、7歳にしか見えないのに実際は400歳を超えていて、あのドラキュラ伯爵よりも年上だとかいう設定..........。格好もたぶんゴスの格好に違いない。w (というか脳内補完するぞ)


 話を戻して............、やっぱり谷崎潤一郎は凄いです。ツンデレにフェチにマゾにスカトロに女装と..........なんか今でも充分通用する要素をモリモリ盛り込んだし、時代を先取りした感覚を持ち合わせていたのにも驚きます。..........もしもの話で、今のアキバに谷崎を連れて行ったらどうなるんんだろう。「陰影礼賛」から察するに、たぶん幻滅する確率が高いと思うけど、ひょっとすると.............。メイドコス萌えームッハー(;゚∀゚)=3とかなってるかも????? いや....むしろ川端康成のほうかも?w

 
 
 *ちなみに、古典.......ここでは萌えの歴史が浅いので敢えて古典と呼びましたが、いわゆる維新後からの近代日本文学のことです。


 (2007/1)
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 久しぶりにウィキペディアの項目を見たら、だいぶ加筆修正されていて、ツンデレの表記がなくなっていました。.....と日記の修正をしようと書いていたら結構な量になってしまったので、分けて載せることにします。

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